“Heart of Darkness” by Joseph Conrad (22)

“Heart of Darkness” by Joseph Conrad (22)
https://www.gutenberg.org/files/219/219-h/219-h.htm

 「それについて多く語る必要はない。
径に続く径、何処もが径、何もない土地に踏み固められた道のネットワークは長い草を越えて、燃えた草を越えて、藪を越えて、冷たい渓谷を上がり降りし、灼熱の岩だらけの丘を上がり降りし、孤独、孤独、誰もいない、小屋ひとつない。
人々はずっと昔、居なくなってしまっていた。
そう、もしあらゆる種類の恐ろしい武器で武装した多くの謎の黒人がディールとグレーブセンドの間の道を旅して、左右の田舎者を彼らの為の思い荷物を運ぶために捕まえたら、そのあたりの全ての農場と小屋はすぐに空っぽになるだろうと思った。
ここだけが住民もいなかった。
それでも俺はいくらかの廃棄された村を通り過ぎた。
草壁の廃墟には、何か哀れなほど幼稚なものがある。
来る日も来る日も俺の後ろには60組の素足の足音がいて、各ペアは60ポンドの荷物を背負っている。
キャンプ、料理、睡眠、撒営、行進。
時々、装具を付けたままの運搬者が、空の水筒がわりのヒョウタンを付けて、長い杖を横に置いて、径の近くの長い草の中で死んでいた。
周りと上空には大きな沈黙が広がっていた。
多分、ある静かな夜には、遠くの太鼓の響き、沈み込むように、うねるように、揺れは大きくなり、音はこの世のものとは思えず、訴え、思わせぶりにそして荒々しく、そして多分キリスト教国の鐘の音のように深遠な意味を持って、鳴っていた。
一度、武装した痩せたザンジバル人に警護されて径でキャンプしていた、ボタンを外して制服を着ていた白人がいたが、大変暖かく迎え入れてくれて、酔っ払いとは言わないが、陽気だった。
彼は、径の維持管理をしている、と宣言した。
俺は、3マイル先で俺がつまずいた、額に銃弾の穴の開いた中年の黒人の死体が恒久的な道路の維持管理だと看做さない限り、どんな道路も維持管理も見たとは言えない。
白人の仲間もいた、悪いやつじゃないが、むしろ肥満体過ぎて、近くの木陰や水場から離れた、暑い丘の上で気絶すると言う苛立たせる癖が有った。
男が正気になるまで、自分の上着を日傘のように男の頭の上に挿し掛けるのはいらつかせるものだ、わかるだろう。
私は一度だけ、彼がそこに来る意味を尋ねずにはいられなかった。
「勿論、金儲けのためさ、お前はどう思っているんだ?」と、彼は軽蔑したように言った。
その後、彼は発熱し、棒につるしたハンモックで運ばれる羽目になった。
彼は体重が100kgあったので、運び手の口論が絶えなかった。

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