“Penguin Lost” by Andrey Kurkov (137)

“Penguin Lost” by Andrey Kurkov (137)
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別の専用長距離バスに5時間乗って、ザグレブからスプリットに着いた。
丁度、海と高層ビルが見えたところで、ヴィクトルの携帯がなった。

「飛行機は快適でしたか?」

「素晴らしかったよ、今バスがスプリットに入ったところだ。」

「勝ってね! そうじゃなきゃ帰ってきちゃダメ!また電話するわ。」

チームが泊まったホテルの二階は彼らの特別の必要性に充分適合してあっていた。
13階に割り当てられたヴィクトルとイザイエフはお互いにあまり口をきかなかった。
イザイエフはイゴール・イワノビッチの片腕だとみなしていたので、ヴィクトルは直ちに彼との間に個人的な見えないベルリンの壁を築いた。
彼はイザイエフ以外の全員に関しては信頼していた。

部屋の窓から太陽の光が差し込んでいた。
スプリットはキエフよりずっと暖かかった。
ここは既に春だった。
風呂のお湯をひねって、ミーシャが先に入りたそうにしていたので、お湯の蛇口をオフにし、水の蛇口を開けた。

彼のバルコニーから素晴らしい海の景色が見えた。
少し先の方に雪のように白い定期船が錨を降ろして停泊していた。
下の方では立派なヨット達が長い突堤に係留されていた。
彼は携帯でムラディンに電話をかけた。

「はい?」と厳しい返事が返ってきた。

「キエフのヴィクトル・ゾロタリョフです、南極旅行について。」

「ああ!」声が柔らかくなって、「お声を聞けてうれしいです。ようこそドブロ、ダズリ 今どちらですか?車で伺います、10分後に外にいてください。古い群青色のベンツです。ああ、それと現金をいくらか持って来て下さい、店を買う必要がありますから。」

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