“Heart of Darkness” by Joseph Conrad (50)

“Heart of Darkness” by Joseph Conrad (50)
https://www.gutenberg.org/files/219/219-h/219-h.htm
人が知ることや拒絶する事に何の意味があるのか。
誰が局長であるかという事が重要だろうか?
人は時々そんな洞察のひらめきを得るものだ。
この事の本質は表面のずっと底の方に在って、俺には手が届かず、俺がどうこう出来る事ではないのだ。」

 「第2日目の夜に向けて、俺たちはカーツの局舎から8マイルの地点にいると判断した。
俺は前進したかった。
しかし局長は深刻な顔をして、俺にそこに行く航行は危険なので、すでに陽も低くなってきているし、次の朝まで待つ方が賢明だろう、と言った。
さらに、彼は、もし気を付けて進んで行けという警告に従うのなら、俺たちは夕暮れや夜にではなく昼の光の中を行かなければならない、と言った。
これは充分賢明な事だ。
8マイルは我々にとって3時間の蒸気機関の運行を意味する。
そして俺には見える範囲の一番先の方に怪しげな、さざ波も見えた。
それにもかかわらず、その遅れに言いようも無くイラついたが、不合理にも数か月たった後のもう一夜なのだから問題ないとも思った。
薪は充分にあったし、注意しろとも言っている事だし、流れの真ん中で船をとめた。
川幅は狭くまっすぐで、鉄道の線路の切土ように両岸が切り立っていた。
夕闇が、陽が沈むずっと前から滑り降りてきた。
流れは穏やかに流れていたが、岸辺には物言わぬ静けさが漂っていた。
生きている木々は、蔓と繁茂する下草の藪が這い、最も小さな枝や軽い葉に至るまで石に変えられていたかもしれない。
それは眠りではなく、不自然な失神状態のように思われた。
どんな種類の微かな音さえも聞こえなかった。
お前たちは驚いて見つめ、耳が聞こえなくなったと思うだろう、そして夜は突然やって来て、眼も見えなくなってしまった。
朝の3時頃、何か大きな魚が跳び跳ね、まるで大砲が発射されたかのように、大きな波が俺をとび上がらせた。
太陽が上がった時、大変暖かく、クリーム状の、白い霧があり、夜よりも視界が悪かった。
霧はただそこにあり、何か固いもののように周りに立っていた。
多分、8時か9時に、それはシャッターが持ち上がって開くように晴れた。
俺たちは、巨大なジャングルの、そそり立つ木々と、そこにかかる太陽の燃え盛るボール、をちらっと一瞥した。
そしてその後また滑らかにグリースを塗った溝を滑るように、白いシャッターが現れた。

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