”Guardian Angel” by Arthur C Clarke (2)

”Guardian Angel” by Arthur C Clarke (2)

 そして、カレルレンは、おそらくいつもと違って、すべてを見下ろし、大いに楽しんでいたわけではないだろうとストームグレンは思った。

 ストームグレンが自由連盟のトップに会ったのはこれが初めてだった。
彼は未だにこの行為が賢明だったのか疑問に思っていた。
:最終的な分析の後、連盟は、彼が会う事を拒否すればその事を理由に拒否権を行使できると考えて、受け入れただけだった。
彼はこの会合で合意に達するには、その溝は余りにも広すぎることを知っていた。

 アレキサンダー・ウエインライトは50代後半の背の高い少し猫背の男だった。
彼は彼の乱暴な追従者のことを謝るようなそぶりを見せ、ストームグレンはむしろ彼の明らかな誠実さと彼の相当な個人的な魅力に驚いたのだった。

 「私は、君の訪問の主要な目的は連邦の計画に対する正式な抗議であると思います。
そうですか?」と、ストームグレンが口火を切った。

 「その事が私の主要な目的です、長官。
ご案内の様に、ここ5年間私たちは人類に、戦うべき危機について目覚めさせようと試みてきました。
その事は認めますが、私の見方では、その効果は失望させるものです。
多くの人々はオーバーロード達に世界を好きなように運営させることに満足しているようです。
しかし、このヨーロッパ連盟は実行不可能になるのと同じくらい容認できないものなのです。
カレルレンでさえ二千年にわたる世界の歴史をペンの一筆で消し去ることはできないのです。」

「それなら、」と、ストームグレンが言葉を遮った。
「ヨーロッパと全世界は永久に20ほどの主権国家に分割され続け、独自の通貨、軍隊、税関、国境、などすべてのあの中世の制度を、持ち続けなければならないとお考えですか?」

「私は、私の支持者は同意しないかもしれませんが、究極の形態としての連邦について異論を唱えているわけではありません。

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