“Heart of Darkness” by Joseph Conrad (56)

“Heart of Darkness” by Joseph Conrad (56)
https://www.gutenberg.org/files/219/219-h/219-h.htm
見張りを続けようか?
そうだな、おまえたちは俺が、猫がネズミを見るように霧が晴れる徴候を見つめていたと思うだろうが、なにより、綿の山の中の何マイルも深いところに埋められているよりももっと我々の眼は役に立たなかったのだ。
それは息苦しい様な、暖かい、そんな感じだった。
さらに、俺が言った事は、それはぜいたくに聞こえるかもしれないが、全く真実そのものだった。
我々が後で攻撃と言った事は実際には撤退の試みだったのだ。
その行為は攻撃とは非常にかけ離れたもので、それは一般的な感覚での防御的でさえも無く、それは絶望的なストレスの下で行われ、本質的には純粋に保護的だった。」

 「それは霧が晴れてから2時間後に自発的に起きたと言うべきで、その始まりは突然で、簡単に言うと、カーツの局から約1マイル半の所にいたと言う事だ。
俺が川の真ん中に、明るい緑のただの草が茂った小丘のある小さな島を見たとき、我々は単にカーブを曲がったところでもがきバタついていたのであった。
一つしかなかった。
しかし、もっと遠くまで見るとそれが長い砂洲の頭部である事が分かった。
というか、河の中央に伸びる細い鎖状の土地だったのだ。
それは水で洗われて変色していて全体に水面下に見えた。
正に皮膚の下に背中の中央を人の背骨が走っているのが見えている様な風だった。
今、俺が見る限りでは、右にも左にも行けそうだった。
勿論俺はどちらの水路なのかわからなかった。
川岸は全く同じようで、水深も同じ様に見えた。
しかし俺は局舎が西側にあると聞いていたので、当然西向きの水路に向けた。」

 「俺たちが少し入って行くとすぐ俺が思っているよりずっと狭い事に気が付いた。
我々の左には長い途切れのない浅瀬があり、右には背の高い急勾配の大きく茂った藪が有った。
藪の上には木が密集していた。
流れの上には枝が厚く覆いかぶさっていて、遠くの方には大きな枝が流れの上にしっかり突き出していた。
その後午後は順調に行き、森の表面は暗くなり、広い日影が既に水面に落ちていた。
この薄暗さの中を蒸気船は、お前らが想像しているとおり、大変ゆっくりと、進んで行った。
水は土手の近くが深かったので俺はうまく船を沿岸の方に舵を切った。
というのも、水深棒がその事を教えてくれたからだ。」

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