“Mrs Dalloway in Bond Street” by Virginia Woolf (3)

“Mrs Dalloway in Bond Street” by Virginia Woolf (3)
https://www.gutenberg.org/files/63107/63107-h/63107-h.htm
それは重要なことだとダロウエイ夫人はバッキンガム宮殿の方に向かって歩きながら考えた。
大きな日差しの中に、妥協することなく、素朴にしっかりと立っていた。
しかし、それは彼女が考える個性で、民族に生まれ付き備わった何かであり、インド人が尊敬しているものなのだ。
女王は病院へ行き、バザーを開いた、英国の女王、クラリッサは宮殿を見ながら思った。
この時間には、既に自動車が門を通り過ぎ、兵士たちは敬礼し、門が閉められていた。
そして、クラリッサは道を横切って体をまっすぐに伸ばして、公園に入った。

六月は木々からすべての葉を引き出していた。
乳房に斑点のあるウェストミンスターの母親たちは、自分の子供たちに乳を与えていた。
かなり立派な女の子たちが草の上に寝そべっていた。
高齢の男性がかがみこんでくしゃくしゃになった紙を拾って、しわを伸ばして、また、捨てた。
何と恐ろしいことだろう!
昨夜、大使館で、ダイトン卿が言っていた。
「もし私が自分の馬を捕まえておいてくれる人が欲しければ、私はただ手を上げさえすればいい。」
しかし、宗教の問題は経済問題よりもずっと深刻だ、ダイトン卿は言った。
そのことは、ダイトン卿の様な男が言うのだから、とても興味深いと彼女は思った。
「ああ、その国は自分が失ってしまったものが決してわかることはないだろう」と、彼は自分の意見で、親愛なるジャック・スチュワートについて話したのだった。

彼女は小さな丘を軽やかに登って行った。
空気は活気に満ちていた。
艦隊から海軍本部にメッセージが届いていた。
ピカデリーとアーリントン通りとモールは、クラリッサが愛した神聖な活力の波に乗って、公園の空気をかき混ぜ、その葉を熱く、見事に持ち上げているように見えた。
乗馬、ダンス、彼女はそのすべてが大好きだった。
または、田舎で長距離を歩くこと、本について、人生ででやるべきことについて話すこと、というのは、若者は驚くほどうぬぼれやで、その言っていたことと言ったら!
しかし人は確信を持っていたのだった。
中年は悪魔の様だ。
ジャックのような人たちは決してその事は分からないだろう、と思った。
というのは、彼は一度も死について考えたことはなく、彼らは彼が死にかけているということを知らなかったと言っていた。

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