“Writing Box” by Milorad Pavic (58)

“Writing Box” by Milorad Pavic (58)
https://jp1lib.org/book/16698678/7e0b66
 
 金貨と指輪の保管場所は最も見つけにくい。
底に達するには貴重品の場所(12)の壁を押さなければならない。
そうすると、隣り合った壁がバネで飛び出して来て象牙の取っ手の付いた2つの小さな引き出しが現れる。
上の引き出しは本物で札を入れるためのものだが、下は偽物だ。
それは実際には、前に象牙の取っ手の付いた木製の立方体だ。
その中には、6つの完全な円筒形の開口部があり、小さいものと大きいもので、デュカットと指輪を収納することができます。
その後ろには英語で「彼の敵の事だけを考える者は敵を得るが友は失うだろう。」
 
 上の引き出しは今はからである。
 下の偽物の引き出し、ダカット金貨とリングを入れるための区画には、首飾り用にした一枚のコインが入っている。
というのはコインの端に穴が開いているからだ。
その銀の表面はずっと前にすり切れていて文字はほとんど読み取れない。
:エトルスキラ・・・
その横の小部屋には、夏に足の親指につけるような銀色の女性の足用の指輪がある。
 
 
               15
 
             外側の引き出し
 
 
 筆箱のカギが開けられ、蓋が開けられると、真鍮のリングで外側の引き出しを引き出すすことができる。
引き出しは大変長いものだ。
航海中のダビノビッチ船長か誰かが、この箱に何を入れていたのか、想像するのは難しい。
多分、折り畳み式の望遠鏡か?
今は本が入っている。
もっと正確には、本からちぎり取られた53ページが入っている。
カバーもタイトルページもない。
著者の名前も判別できないが、出版社の名前は簡単に読み取ることができる。

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