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私は私の我儘に責任を持っていく

二人目の妊娠にあたっては、まあ、今はこういうご時世だし、不安も葛藤も迷いもあった。
でも同時に、コロナのおかげで、いつもなら言われていたはずの他人からの余計なお節介がなくなったからこそ、逆に自分の心の声を素直に聞けるようになったのかなぁ、とも思う。

「兄弟はいた方がいい」とか、
「一人っ子だとかわいそう」とか、
そういう類の、科学的根拠の何もない個人的意見の押し付けが、息子を生んでからなぜだか私に絡みつくようになった。
逆にこうした余計なお節介に引っ張られて、二人目を作らないことに固執してしまっていたフシもあったように思う。

コロナになって、人と距離を置いたことで、こうした意見からも開放された。仕事や年齢のことも考えながら、夜中仕事から帰ってきた旦那にビールを出しつつ二人目のことを相談した。

旦那は、
「息子のために、兄弟はいた方がいいと思う。」と言った。

私はカチンと来た。あなたも、赤の他人と同じような事を言うのか。

「息子がどうとか関係ない。
大きくなって息子に、あなたのために二人目作ったのよって言うの?
二人目に、お兄ちゃんが一人じゃ寂しいと思ったからあなたを作ったのよって言うの?
息子を言い訳にしないで。自分が欲しいか欲しくないかでしょ。」

そう、苛立ちから口をついて出てきた言葉に、自分が一番ハッとした。
自分が欲しいか、欲しくないか。
今まで私自身が、それを真剣に考えていなかった。

旦那は、「確かに。」と言っただけで、黙った。

「私は、欲しい。」
口にするのに時間はかからなかったけれど、なぜか少しだけ勇気が要った。

***

子供のこととなると、非常にデリケートな問題なので、人それぞれ考え方はあると思う。
私は極論、子作りも、子育ても、親のエゴだと思っている。
でも時に、それを口に出して表明するのに躊躇することもある。

あなたのために。誰かのために。
そういう言葉は、素敵だと思う。

でも、自分で決められなかったり、怖かったり、諦めたりするための言い訳として、自分を納得させる言葉のにもなりえると、私は思っている。

美辞麗句は私には不釣り合いなんよ。

私は私の我儘を隠したくない。
我儘を貫いて、その代わり、ちゃんと責任を持っていくよ。
ダメだったとき、うまくいかないとき、誰かのせいじゃなく、自分が決めたことなら、踏ん張れる事もあると思うから。
私は、自分が何かを頑張る理由を、子供に求めたくない。

自分が小さい頃の記憶を思い出しつつ、戒めとして、お腹の激しい胎動を感じながら、今書き留めておく。



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