腕時計が壊れた

会社で勤務するときは、もうかなり前からカシオの電波ソーラーで、アナログとデジタルが両方ある腕時計にしている。
自宅には高価なコレクションもあるが、毎月5秒も狂ってしまうやんちゃな高級時計には閉口している。
会社は昼休みにチャイムが鳴らない。だから1秒の狂いもなく昼休みを取るには電波時計でなければならない。
加えて止まっていたことに家を出てから気付いたのではどうしようもない。交換式の電池は型遅れになると生産をやめてしまうものもある。よって太陽電池が必要だ。

しかし多くの人が体験しているのは、夜になると暗くなるという天文学上の問題だ。
人間は電球を発明し、夜でも明るい生活を手に入れた。しかし夜は想像以上に長く、更にこの時期上着を着る場面が多い。腕にはめた文字盤に光が届かない。
毎日使っていれば問題ないが、リモートワークが始まり、腕時計をせずとも、家内の電波時計で正確な時間が分かる。便利な時代になった。
そんな中で6日振りに出社しようとしたところ、電波を受信していなかった。強制的に受信をしていたら、電池がデジタルパネルすら表示できないようになり、微かに充電を必要と訴える部分のみが点滅しているだけとなった。
サラリーマンの朝は早い。必要な情報が全て分かるその時計を充電するには、もう時間がない。やむを得ず、時価総額8万円のアナログと秒のみデジタルのプライベートでも稀にしか使わないG-SHOCKを腕に巻いて出社した。
デジアナが最高だと思っていたが、意外に腕時計を見る機会がない。ラスト1分のみ秒針を必要としたが、このG-SHOCKには秒針がない。会社員が帰りの時間を腕時計を見ながら待って良いものか? 如何に非常識な俺でもひたすらパソコンのデジタルモニターを眺めるのみだった。勿論秒は表示されない。

結局駅まで走ることとなったが、自宅の陽当たりの良い所へ置いてきたデジアナは、見事に復活を果たした。
俺が働かなくても良いようになるまで、頼むぜ相棒!

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