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【ネタバレなし】令和のコードギアス、堂々の幕開け -『コードギアス 奪還のロゼ 第1幕』感想-

みなみ京二と申します。

公開中のアニメ作品『コードギアス 奪還のロゼ 第1幕』を見てきたので、感想を書いていきます。

ネタバレはなしのつもりです。
また、『コードギアス 反逆のルルーシュ』及び『復活のルルーシュ』の内容についてもネタバレにならない程度に触れています。


この作品を見るにあたって

本作は映画館にて上映されている新作ではあるものの、厳密には「映画」ではない。
1話30分弱、全12話に渡るアニメを3話×4回に分割し、それぞれ映画館で流すという作品である。
上映時には各話ごとにOP・EDも流れ、アイキャッチも挟まる。
EDが流れたからと言って上映終了というわけではないので、誤って席を立ってしまわないよう注意である。

また、本作は2019年に公開された映画『コードギアス 復活のルルーシュ』、及び2017年から2018年に渡り公開された総集編『反逆のルルーシュ I 興道』『II 叛道』『III 皇道』の続編であり、ストーリーの時系列としては『復活』の5年後にあたるとのことである。

第1幕の時点では単体で成立しており、過去作を見ていなくとも問題なく楽しめる。
しかしながら、ちょこちょこと過去キャラの再登場があったり、一部知っているとニヤリとできるシーンもあったため、時間と体力に余裕があれば上記4作を視聴の上で『奪還』に挑むことをお勧めしたい。

とはいえ映画4作分というのは生半可な時間ではない。
先んじて書かせてもらうが『奪還』はめちゃくちゃ面白かったので、「まだ過去作を観ていないし、見てからにしよう……」等と考えて後回しにするくらいなら、予備知識ゼロで見に行った方が絶対に良い。

期待以上の『コードギアス』が出て来た

『コードギアス 反逆のルルーシュ』と言えば、2000年代を代表するアニメ作品にして「一番好きなアニメ」「一番面白いアニメ」といったランキングでは必ず最上位に食い込む超人気作である。

その人気ぶりから様々なメディアにて多くの外伝作品や続編が作られており、前述した『復活』や本作『奪還』もその一つだ。
※厳密には総集編『I 興道』~『III 皇道』の続編であり、TVシリーズとは若干変更点がある。
本編を見たことがない方はいても、作品名を聞いたことがないという方はほとんどいないだろう。

物凄く簡単に説明すると所謂ロボットアニメであり、登場人物たちは人型ロボット・ナイトメアフレームに搭乗して戦うこととなる。
全長4~5mと小柄なサイズに、高速移動用のホイール「ランドスピナー」やワイヤーを射出することで立体的な移動を可能にする兵器「スラッシュハーケン」等機動性を高める機能が搭載されていることも相まって、ナイトメアは非常に動きが速い。
アニメ本編では、これらの機能を最大限活用したダイナミックな戦闘を楽しむことができ、『反逆』のみならず『コードギアス』シリーズ全体の大きな特徴にもなっている。

本作でもこの特徴は健在であり、主人公の一人であるアッシュがナイトメア・Zi-アポロを駆り、縦横無尽に暴れ回る様をたっぷりと楽しむことができる。
まだ3話までしか上映されていないものの見せ場と言えるシーンもしっかり用意されており、戦闘シーンの満足度は非常に高い。

しかし、『反逆』においてそれ以上に特徴的だったのは主人公・ルルーシュが繰り広げる頭脳戦だ。
自身もナイトメアに乗り前線に立ちながら、一度だけ他人を命令に従わせることのできる能力・ギアスと高いカリスマ性、そして類稀なる頭脳を武器に、戦略の立案から実行、時には政治戦までこなして絶望的な戦況を覆す。
そんなルルーシュの活躍こそが『反逆』最大の魅力と言っても過言ではないだろう。

しかし、本作はルルーシュ不在のまま物語が進む。
彼がいなければ、そんな最大の魅力も発揮されないのでは……?という不安もあったが、杞憂であった。
というのも、もう一人の主人公・ロゼが完璧にその役割を担ってくれているのである。
ルルーシュからそのポジションを引き継いだロゼの活躍は凄まじく、バッチリ今作における「最大の魅力」になってくれている。

『コードギアス』らしさを感じさせてくれる内容でありながら、ロゼとアッシュがコンビで動くからこそ『反逆』になかった面白さも生まれている。
過去作の良いところをしっかり踏まえながら新しい楽しみを盛り込んでいく、丁寧な作品である。
このままいけば、『反逆』に勝るとも劣らない名作になるのではないかとすら思えるほどに面白かった。

絶対に劇場で見るべき作品

本作は6月21日よりディズニープラスにて配信が決定しているので、わざわざ映画館まで行かずとも待ちさえすれば視聴すること自体は可能である。
なら配信で見ればいいか……と思っている方。
違うな、間違っているぞ。

その理由は2つある。

1つ目は劇場ならではの設備だ。
大きなスクリーン、豪華な音響設備、極限まで映像に集中できる環境……
映像作品を見るにあたっては理想的な環境である。
大迫力の戦闘シーンを、スマートフォンの小さい画面とイヤホンで消費するなど愚の骨頂。
家に60型のテレビと5.1chスピーカーとシアタールームを完備している富豪でもないなら、本作は絶対に映画館で味わうべきだ。

とはいえそんな事は皆様ご存知だろう。
大切なのは2つ目の理由である。

詳細は伏せるが、この作品を語るにあたって、ネタバレを避けることが非常に困難なのだ。
今はまだ第1幕までしか上映されていないので皆抑えているが、第2幕、第3幕と話が進むにつれて第1幕の内容を公の場で話す人も出てくるだろう。
既に公式からもネタバレ解禁の告知が出ている。

ネタバレを踏むことがプラスになる作品は存在しないが、こと本作については絶対にネタバレを踏まずに見てほしい。

こうなった時にネックになるのが、ディズニープラスでの配信スケジュールだ。
6月21日から全話視聴可能になるのではなく、毎週1話ずつ配信されていく形式が取られるため、最速で視聴できるのは常に劇場である。
それどころか、一度劇場上映を見逃したが最後、第3幕の最終週まで配信で見ることを余儀なくされるのだ。

以下は上映と配信の予定を簡単にまとめた画像である。
第1幕・第2幕については配信と全く被っていないことがお分かりいただけるだろう。
第3幕も被っていないように見えるが、最終週のタイミングでようやく第2幕分(4~6話)の配信が完了するため、ギリギリ1週間だけ接続が可能である。
スケジュールが地獄すぎやしないだろうか?

これを回避するためにも、劇場公開のタイミングを逃さず見た方が良い。
絶対に良い。
それだけの手間と時間とお金をかける価値は間違いなくある。

締め

本当にどこを取ってもネタバレになってしまうため、具体的な話ができず薄々の内容になってしまった……。
ストーリーは驚きの展開が連続してずっと目が離せないし、ナイトメア戦の映像も劇場での鑑賞に堪え得る非常にハイクオリティなものである。
この先第2幕、第3幕……と話が続くにつれて、どんどんと話題になっていくのは間違いない。

再三になるが、まだ見ていない方はネタバレを踏む前に急いで見に行っていただきたい。
『コードギアス』ファンは勿論のこと、シリーズ初見でも楽しめること間違いなしである。

〈了〉


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