お客様は神様じゃない
昔働いていたホテルの夢を見ました。当時、わりと人気なリゾートホテルでした。
お客様にそんなことさせないで!
ある後輩のホテルの従業員の女の子が、お客様から荷物を運ぶのに、カートを貸してほしいと言われ、彼女は快く貸していました。
私はお客様にカートをかしちゃだめだと注意。
後輩の女の子はどうしてお客様が使いたいかどうかしちゃだめなんですか?と。私はその女の子に理由を説明しました。
①カートの扱いに不慣れなお客様が何かにぶつかったり人にぶつかったりする恐れがあること
②カートのタイヤでお客様自身が怪我をするかもしれないこと
これは私たちの仕事なのよと言う事はとても簡単なんですが、きちんと理屈で説明しないといけない思いました。
ただその時の反射的な気持ちは「お客様にそんなことさせないで!」。
女の子が納得したかどうか確認しようと顔覗き込んだ時、目が覚めました。
カナダのホテルにて
ところ変わって、カナダ。
以前、緊急事態が発生し、カナダの空港のホテルに家族が泊まっていました。荷物を大量に持っていた私はカートを借りられるかとフロントに頼んだことがあります。
フロントに3人ぐらいいたが、ベルスタッフがその時誰もいなかったようでした。 私はカートを1台借りてホテル内を移動。
印象的だったのはフロントの方、「どうぞどうぞ(ご自由に)」と言う感じでなんの悪びれもなくカートを貸してくれたことです。
そこはフォースターホテル。しかし、カートを押してる自分に対して、誰もそれに違和感をもっていないようでした。
一方、それはめっちゃ楽でもあったんです。誰にも気を使わなくてもいい、自分で自由にホイホイ荷物を運べる。なんてすばらしい。
お客の前じゃ、水も飲めない?
最近Twitterを見ていても色々と思うことがありました
そうでした。日本で働いていた時は、お客様の前で水を飲むと言うことも失礼と思っていました。
カートの話はちょっと別になりますが、日本でいた頃のようにありとあらゆる場面でそこまでお客さんに気を遣う必要あったのかな?とも思います。
お客様は神様じゃない
「お客様は神様ですよ」
有無をいわさぬ破壊力ですね。すごい言葉です。
日本の飲食店では、良くも悪くもある未だにある意識です。お客さんが良い気持ちになりそうなスキマを見つけては、すぐさま埋めるような感覚。実際に、喜ぶお客様は多いですし。まあもちろん、それが働き甲斐の一つだったわけです。
ただ、この意識が行き過ぎて、自分も他人も生きづらくさせている気がします。カートの問題で私の意識によぎった「お客様にそんなことさせないで!」は、ここの根っこがあるような気もします。
日本で行われているホスピタリティーはすごくいいのですが、少なくとも指導する側は「お客様は神様だ」という言葉はもはや使わない方がいい。
決して、お客様=絶対ではないので。
終わり。
コーヒーをごちそうしてくれるとジャンプして喜びます!