絵本製作
本業の傍ら絵本製作をしている。
川の流れに身を任せるように、頂いた話に乗り込んだのは昨年のこと。
目の前にくる球を掴み、投げ返す。
繰り返していると、いろいろなところから飛んでくる球をキャッチできるようになってきた。その球は大小あればカラフルなときもある。
絵本製作はなかなかカラフルな球だった。
文章を考え、絵を描き、絵の中に文をのせていく。
文章ができた段階にも推敲したが、絵と重ねてみるとあれだけ考えた文章に違和感を覚えてしまうことがある。
そして、また考える。
絵から伝わることは言葉にはせず、極限まで無駄を省く。
言葉にして読んでみると、また違った言葉が思い浮かぶ。ひょっとすると、そのときの気分によってもしっくりくる言葉は変わるのかもしれない。
世の中に本は溢れかえっているが、何年も何年も読み続けられているのはわりと絵本だったりする。
ビジネス本や推理小説は一度読んでしまったら何度もよむことはないだろう。
子どものころに読んでもらった本を自分の子どもに読む。
「ぐりとぐら」だったり、「はらぺこあおむし」だったり。
一分もかからず読み終えてしまうのに、いつまでも心に残るのはなぜだろうか。
詩や短歌、俳句などにも共通するものがある気がする。
猛烈な勢いで変化し続けているこの時代。
変わった方がいいものと、変わらない方がいいものを見分けるヒントが、時代を超えて愛される作品の中に詰まっているのかもしれない。
絵本製作を通して、何か大切なものが分かった気がした。
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