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恐い間取り

現在、映画化もされている「恐い間取り」を読んでみた。

不動産屋の立場からすると、「事故物件」や「告知事項」というのは日常のフレーズではあるが、実際にそこに住む人というのは確かに珍しく、さらに住んだ感想というのは滅多に聞けるものでもないので、ある意味参考になる。

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私の立場からすると、あくまでも俯瞰的に物件を見る。そして事実を述べる。判断をされるのはお客様なので極力、決断を誘導をするような発言は避けている。

事故物件とはいえ、売主様や貸主様がおり、その名の通り物件からしたら不可抗力で事故にあってしまったわけであり、もともと事故物件というわけではない。

ただ、個人的にはどう思うかと問われれば…私の見解はお話はさせていただく。

私も過去に殺人や自殺のあった「事故物件」の取り扱いをさせてもらったことがある。

独立してからはまだないが、過去の事故物件は越谷市、草加市の物件だ。

その時に感じたのは「売れない物件はない」ということだった。

事故物件は割安なことが多いので、お客様からの問い合わせ自体はとても多い。
しかしながら、理由を説明すると大抵の人は見送る。

ただそんな中、「気にしないので購入したい」という方もいるのが現実だ。

そんな方とお話していくと、お坊さんだったり、科学者だったり、医者だったりと、聞いてみると「なるほど」と納得がいく方が購入されている。

その方々はしっかり「死」と向き合っていて、恐いとか気持ち悪いというような感覚ではない。死は常に身近にあるもので唯一平等に訪れるものだと考えているのだ。

歴史を遡れば、亡くなっていない土地を探す方が難しいともいう。おじいちゃん、おばあちゃんの世代では自宅で最期を迎えることは珍しくなかった。

そこを考えると、亡くなった場所が全て事故物件になっているということではなさそうだ。

「望まれない死」が事故物件といわれ嫌われていったのだろう。

単なるオカルトな話ではなく、恐い間取りから「死生観」についても考えさせられる、そんな一冊だった。


ちょっと恐かったけど…

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