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「習慣化」だけでは、足りない何か。

2022年2月、我が家はコロナ禍だった。
丸2週間も娘が保育園に行けなかったので、毎日が戦いだった。

幼児が家にいると、全てが幼児のご機嫌しだい。親の生活は完全にジャックされる。仕事どころではないが、容赦なくMTGの時間はやってくる。仕事以外の時間でYouTubeの本の要約チャンネルを片耳イヤホンで音だけ摂取して、どうにか正気を保っていた。塩味のせんべいで気をそらし、普段食べないファストフードの頻度も増え、昨年落としたはずの体重を取り戻し、鍛えた筋肉はあっという間にどこかに消えた。

そんな日々が落ち着き、保育園に登園できるようになった。保育園のありがたみを噛み締めながら、徐々に習慣を取り戻そうとした。だけど、なんだかしっくりこないし、気力が湧かない。筋力と共に気力もどこかに消えたようだ。

平日朝は這うように最低限のヨガをして、土日はなるべくスタジオでフルの練習をする、日中に筋トレをする、ノートを開いて執筆する環境を整える…、形だけはどうにかこなしていたけど、練習や筋トレの量や頻度は若干減っているし、執筆は進まない。仕事でも、押し寄せる業務をなんとかこなすので精一杯。なんだかよくない感じ。

そこで、何度も読んでいる『エッセンシャル思考』の続編『エフォートレス思考』を読んだ。

「頑張っても報われない」ということに気づいたら、すぐに読んだほうがいい本だ。特に、努力が得意で今までコツコツ頑張ってきたけど思うような未来に辿り着いてないと感じる同世代におすすめ。

エッセンシャル思考を受けて、色々と考えてやるべきことは絞れてきた。だけど、人生で一番重要だと感じることに時間をうまく振り分けられなかった。給与収入のために不毛な仕事にまで丁寧に取り組み、非生産的なことにエネルギーを使ってしまってきた。なんとか労力と時間の振り分けを変えたいけど、暮らしていくためには給料がもらえる仕事を最優先にしないといけない、それに育児も人生で一度なのだから、全力でやらないといけない、と思い込んでしまっていて、なかなかそれを変えられなかった。それをどうにかするために習慣を色々工夫していたけど、肝心のエネルギーが枯れてしまっていた。
これは、ちょっと真面目に頑張りすぎていたのかもしれない。

体育が大嫌いで、身体を動かしたくない。全く動かずに生きていきたいけど、それができないから仕方なく動く。そんな私なのに5年以上も早朝のヨガの習慣が続いているのは、「お得」だし「楽しい」からだ。

ヨガをしていれば、心身が健康になるから病院や整体、マッサージにほとんど行かなくなる。そうなれば時間もお金も自由になる。早朝にヨガをしてしまえば、日中はダラダラしていても体型は維持できて対して不健康にならない。しっかり身体を動かすから夜もよく眠れる。練習に集中する時間があるから、余計な悩み事に時間を奪われずに心地よく過ごせる。それに、かなり運動音痴なわたしでも、地道に練習を続けていたら「できるはずがない」と思っていたポーズがある日軽々とできるようになる。できなかったことができるようになることは、何よりも楽しいことだ。

ヨガが続いているのは、ここにヒントがある。「お得」「楽しい」を指針にして習慣を立て直していくと良いかもしれない。

練習の後文章を書くのが心地よいのはわかっているけど、書きたいものが明確になって来たことで及び腰になってしまった。考えている企画に似ている小説を読んで打ちのめされてしまい、「プロと同じようなものを書こうと思うなんて、なんて傲慢なんだ」と自分にも落ち込んだ。ダブルで落ち込んでやる気が出なかった。

そうじゃなくて、書くことそのものをもっと楽しんでみたら良いのかもしれない。

セブンルールという番組を好きでよく見ている。

この番組では、”成功”している女性たちのマイルールを紹介している。成功、と書き切らないのには理由があって、必ずしも富や名声だけが成功ではない、という基準で出演者を選んでいるような番組だからだ。自分らしくいられるお店を開いて濃いファンがいる場をつくっている人だったり、NPOをやっている人だったり。もちろん経営者も出てくるが、経済的成功だけじゃなく、暮らしの様子も紹介する。

この中で印象的だったのは、小説家の新川帆立さん。彼女は、毛布にくるまってぬくぬくしながら創作していた。机に向かっているよりも、自分が楽で心地よい姿勢でいた方が創作がしやすいという。

そして、直近で登場していたAIベンチャーCEOの平野 未来さん。アイディアを出す時は、ソファーで横になり、気持ちよさそうなブランケットをかけて目を閉じる。そして斬新なアイディアが閃くのだという。

わたしはごろごろするのが何より好きだ。ごろごろの質を高めるためにヨガをしているし、ごろごろするために生活できるだけのお金を稼ごうとあくせくしている。ごろごろするのが何よりも楽しいのだ。そういえば、国語と小論文だけはなぜか成績が良かったのだけど、課題をやるときは大体ベットでごろごろしていた。

ごろごろしながら取り組んでみれば、習慣化が苦しくなってしまったことも、また楽しめるかもしれない。主に執筆と育児を楽しくすべく、試してみよう。

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