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森の学校のお裾分け

杏の木の発見
うちから15分くらい歩いた区の施設脇に杏の木を見つけました。桜を追いかけるように白い花が咲いて、ゴールデンウィークがすぎると梅のような実がだんだん熟してきて、ぼんぼりが灯ったように明るい色になり魅せられます。近づこうとすると金網があって近くの中学校の敷地にあるようだけど、この実、そのままぼとぼと落下するだけなのかしら、と気になりました。コロナで出勤も止まり極端に外出ができなくなり健康のため近所を毎朝のようにジョギングしていた2020年春のことでした。

今年は地域住民に分けるとのこと

先日図書館に行った際に、そういえばそろそろ杏の季節、と杏の木を探して見るとやはり実っており、色づき始めています。そればかりか金網には貼り紙があり、近隣に住む希望者に分けるとありました。翌朝記載の電話番号に連絡すると、担当は校長先生とのことで、学校の探索教育の教科で生徒と扱っており、熟してきたら平日の夕方に採ったり渡したりすること、日程は参加者の都合に合わせられない、希望者が多く一人一人にわたる数は少ないと思われることなどを教わりました。
地域住民とシェアするという試みが始まったのがとても興味深く、楽しみに待つことにしました。

収穫近づく
台風の雨の予報が出て朝曇って外出が楽だったのでジョギングで様子を見ると、木に実っていたり落果を受けるシートがあったり、そこから漏れて落ちた実もありました。もう直ぐ雨なのでシートの杏の溜まったところは水たまりになりそうです。

金網の向こうをよく覗き込むと、あるある、実っています。
ブルーのシートで落ちてくる実をキャッチしているよう
だいぶ実が入っていますが、雨も一緒にたまりそうです。
シートから外れた実もありました。やはり雨が降ったら痛みそうです



翌朝、出勤で近くを通った家族が、貼り紙のメッセージを写真に撮り送ってくれました。収穫がいよいよ始まるようです。電話がなかったところによると私は第一弾ではないのでしょう。

5月29日には私にも電話があり、31日に学校に行くことなりました。

今日31日の朝は大変な雨が降り、昼にやっと上がりました。夕方、集合前に学校に着いて正門を確かめると、脇には大きな柘榴の木が花盛りです。そして掲示板には学校便り「たかまつの森」があって杏プロジェクトのことを校長の中山幸子先生が楽しく書かれているのを読むことができました。

正門脇の柘榴の大木。こんな大きな柘榴の木は初めてみます。
学校便り「たかまつの森」

時間になると5名ほど住民が集い、校長先生と担当の3名の生徒に迎えてもらいました。雨に備えて収穫してあった杏と枇杷を分けてもらいました。広報係の生徒が、貼り紙を用意したこと、観察係が観察し、用具係はシートを用意したことをそれぞれ教えてくれました。
枇杷は小さな実は枝単位で渡すので追熟したら良いと言うお話。薬を撒いたりしておらず衛生面で完全といえないので加熱を推奨、ジャムが美味しいとのことでした。

左から広報、用具、観察の担当の生徒さん。
杏は右の色が華やかな方。左は枇杷。
頂いた実。左の2つは枇杷です。

早速加熱

ちょうど玄米で作った糀があったので頂いた果物を刻んで杏と枇杷の糀を仕込みました。

杏は熟し具合がバラバラだったので完熟で透明になっていた分は刻んでいてもペーストになってしまいます。固いものは刻んで糀と合わせた後に潰しました。枇杷は皮を剥いたら生食の方が美味しそうで、少し摘んでしまいました。ほの甘く優しい酸味で大変美味しかったです。


校長先生からは、秋には柘榴や秋から翌年までなっている夏みかんもありますとお話しがありました。
こんな身近な学校に食べられる実がふんだんに実り、豊かに地域に分け合えるのにすっかり嬉しくなりました。「エディブルスクールヤード」と言う言葉を思いだされます。
学校便りに「森」というタイトルがついているのも素敵です。ここで学ぶ生徒も、周りの人々も森に連なって一層豊かに過ごせるようにと願います。

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