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「古生物学者、妖怪を掘る」荻野慎諧

妖怪にまつわる古文献を読み解く古生物学者の面白講義的新書。

江戸期の動物の分類には、正体不明をとりあえず放り込むゴミ箱分類群としての「妖怪」があったという指摘は、様々な要素の寄せ集め感のある妖怪が生まれた経緯として納得感。

また、鋭い歯や牙がある「今昔物語」の鬼はヒトを襲う象徴として相応しいが、肉食する生き物にツノ付きはいないのに、安易に鬼がツノを生やす現状を憂うなど、どこを読んでも「をかし」な本。

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