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最近の女子小学生は進んでいる

2021/1/18の虚行通信です。こういうのが噓松呼ばわりされるんだろうな。

夕方、

コンビニから家への帰路を私としては珍しくイヤホンをせずに歩いていると
(この時私の日頃の怠惰により、充電が切れていた。怠惰め、許さんぞ)

前から下校途中らしい小学生女児が二人歩いてきた、

二人は二車線の道路を跨いで話しており、お互いの声が中々届かない様子であった。


片方は自転車に乗っている方(以下、自転車)は、早く話を終わらせて家に帰りたい様子である。

しかし、もう片方の徒歩の奴(以下、徒歩)が全く話を終わらせない。

自転車が多少強引に話を終わらせようとすると、まだ話し足りないといった様子で徒歩の奴がこれまた強引に話を続ける。


しかも大きめの道路を跨いで話しているため、声が尋常じゃなくでかい。

下校指導をしているPTAの緑のタスキをしているおじいちゃんが顔をしかめるくらいには声がデカい。


会話の内容は「宿題やった?」だの「夕飯何?」だの「学校だるくない?」だのと中身の無いものばかりである。

徒歩は会話を長引かせるために無理矢理質問攻めにしてくる、が、
自転車は全てに対して消極的な発言で返答する。


私はインターネット以外で(本来の意味とは違うが、質問攻めという意味で)シーライオニングというのを始めて見た。

そのまま質問を続けても、友達を一人失うだけな気がするが、クソデカ大声女児小学生sの会話は三分ほど続いた。

しばらくすると、自転車の家の前についてしまった。

自転車が話を切り上げようとしていたのは、家が道に面していて目と鼻の先であったからだったようだ。


ここまで強引に会話を続け続けてきた徒歩も流石に家の前でクソデカ大声をカマすわけにはいかないと思ったらしく、彼女側から別れを切り出した。

「%#☆〒*€$%°〜!」

その日は風が強く吹いており、徒歩の声は一切自転車に届かなかった。

思えば、自転車はずっと徒歩の声が聞こえていなかったのかもしれない。
だから曖昧な相槌を打っていたと言う可能性もある。(だからなんだというのだろうか)

自転車は早く家に入りたいという気持ちを抑え、徒歩の最後の言葉を聞こうと「何て!?」と聞き返した。

「%#☆〒*€$%°!」

この「%#☆〒*€$%°!」と「何て!?」のやりとりは三回程続いたのち、徒歩側が伝達を諦める形で終了した。

二人は別れ、それぞれの家に帰っていった。


前置きが長くなってしまったが、本題はここからだ、
徒歩が別れの挨拶として叫んでいた「%#☆〒*€$%°!」がなんだったかという話だ。

実は私は徒歩側の歩道で歩いていたので、「%#☆〒*€$%°!」の答えを知っている。

彼女は「サラバだ友よ」と言っていた。


その言葉を聞いた瞬間、何とも言えない面白さが脳天を突き抜けた。

この令和の時代に「サラバだ友よ」はキザが過ぎる。

今日日去り際にそんなキザなセリフを吐くのは大正浪漫風の小説の男か、少年ジャンプの主人公だけだ。


しかもその言葉を口にしたのは、シルクハットの似合うクレイジーケンバンドのボーカリストみたいなダンディな親父ではなく、女子小学生だ。

どこでその言葉を覚えたのかは知らないが、折角格好をつけているのに相手に伝わっていないのも妙に笑けてくる。

「最近の小学生は進んでるなあ」と、こういう時に使う言葉ではないであろうテンプレートをここに打ち出してしまうほどには衝撃的な発言だ。


清竜人は「平成の男」で時代と共に移り行く価値観と古き良きキザな男らしさを懐古的に歌ったが、この少女徒歩はそれの真逆をしている。

いや、逆に女性がキザなセリフを言う方が現代のジェンダー感にはあっているのだろうか。

いずれにせよ、

友達と下校中で、声が聞こえにくい状況下にあるにもかかわらず、口説き文句にもならないようなキザで男臭い最大級のカッコつけをした彼女には賞賛の言葉を捧げたい。


もし彼女がこの記事を見ていたとしたら、君に伝えたいことが一つだけある。

「近所迷惑だから道を挟んで会話するのやめようね。」

以上。




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