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Killers in the Sky第五章"天空の比翼~The Glory"

ガールズ・スチーム・メタル楽団FATE GEARによるコンセプトアルバム「Killers in the Sky」の第五章です。(他の章はこちら)
サブスク配信とともにお楽しみください。

CDブックレットにはない解説付きでお届けします。

"天空の比翼~The Glory"

これまでの戦闘機にはなかった火力と、予測不能な角度からの奇襲で、
このM-900一機のみで敵小隊をいくつも壊滅させることもしょっちゅうだった。

勲章ももらい、ラカムも俺も一気に昇進した。
 
「なんだレヴィン、初めての勲章なのに嬉しくないのか?」
 
「俺は家族の為に戦ってるだけなんで…
でも今回の賞与でやっと親父に義足作ってあげれそうで。
そっちのが嬉しいです。」
 
「…そうか。 そう思える家族がいて羨ましいよ。」
 
「え?」

「俺の家族、そして親戚は皆で町医者をやってたんだ。
 
俺は後継として育てられていたが、
じっとしてられない性格だった俺と、酒飲みだった親父は何度も激しい喧嘩をしていた。
 
そして俺がお前くらいの歳の時、
ついに俺は家を飛び出して軍隊に入っちまった。
 
しばらくして、
患者が医院に持ち込んだ伝染病で家族、親戚一同は帰らぬ人に。
俺が駆けつけた頃には、医院だった家ごと燃やされていた。」
 
「そんな…ひどい!」
 
「感染を広げないためには仕方なかったんだろう。
 
しかしなんというか…悲しみよりも、
後継としての呪縛からやっと解放された。
自由になったって気持ちのが強かった。
 
…そんな自分が嫌になるよ。
 
だからな、真っすぐに愛せる家族がいるだけで幸せなことだと思うぜ。」
 
「あ、あの…この勲章、ラカム隊長とお揃いだと思うと嬉しいです!
貴方は色んな人に慕われてます。なので、その…」
 
「なんだよ急に」
 
いつも怖いなぁと思っていたその人の顔が、優しく綻んだ瞬間だった。
 
 
「それと…毎回俺の怪我の手当をやってくれてありがとうございます。
どうりで処置が上手いわけですね。」
 

少しだけ、平穏な日々が続き、
俺は短い休暇をもらって1年ぶりに家族の元へ帰れることになった。
 
「気を付けて行ってこいよ。」
 
「はい。いつかラカム隊長も俺の家族に会ってくださいよ!
紹介したいんです。」
 
「はは。怖がられないといいがなぁ。」
 
 
束の間の平和な時間。
それが永遠に続いて欲しいと、心から願っていた。
 
to be continued...

天空の比翼

曲名の元ネタはファイアーエムブレム・ヒーローズから…(笑)
中国の伝承に出てくる霊獣?である比翼の鳥から来ていると思います。
夫婦なんだけど身体が一つになっている鳥の姿をしているそう。

たとえ鳥のように高く歌えずとも
あなたのくれたこの翼で
天よりも高く飛んでゆける

作詞:Mina隊長

ここは重要な歌詞なので引用。
鳥のように高く歌えないというのはもちろん彼女の声のこと。

普通の女の子のように可愛く振舞うなんてもうできない。
でも彼女にしかできない仕事というものをもらって、
居場所を見つけて、活躍して、
周りもレヴィンのことを認め始めて…

そんなとき、自分に居場所をくれた重要人物である、
ラカムの衝撃の過去を知ってしまう。

ラカム"隊長"と酒飲みと医者一族

メアリは私の分身のつもりですが、
実はラカムも私がモデルだったりします(笑)

私の祖父は内科医だったのに大酒呑みだったらしく(笑)
祖父の兄弟、私の叔父、従弟も医者、
叔母は薬剤師…
という家系。

でも祖父は私が3歳の時に、
飲みすぎが原因で肝硬やられて亡くなりました。
なので一回しか会った記憶がありません。

祖父は戦争を経験している世代なので、
生きていたら話を聞いてみたかったなぁと思うのです。

祖父は自分の子孫を全員医者にしたかったらしいですが、
実際に医者になったのは叔父さんだけでした。

押しつけはよくないよ、うん。

あと飲み過ぎはよくないよ。

そんな教訓を含んだエピソードでした。


そして、ラカムのバックグラウンドが分かると、
The Sky Prisonでの彼の一連の行動も「あ~なるほどね」
と納得できると思います。

で、結局彼の役職が遊撃部隊の「隊長」に落ち着いてしまった…
それしか思いつかなかった(笑)

インビンシブルって母艦としての機能も備えてて、
きっと戦闘機たちはスチームパンクだけに「蒸気カタパルト」で発艦するんですよ。

…この「蒸気カタパルト」が言えれば満足です←


The Glory

「栄光」という意味のタイトルですが、レヴィンにとっては勲章よりも家族のほうが大事。
一度家族へ会いに家へ帰ることになります。

最後遠回しにプロポーズしているように聞こえなくもないですが、
ラカムのほうは遠回しに華麗にスルーしています。
あーあ…

家族のいないラカムは
「さっさと後輩育てて、自分はいつ死んでもいいや」
くらいな生き方をしていたため、そもそも誰かパートナーを迎えようなんていう選択肢はない。

家継がなかったせいで彼女にフられて女が嫌になってるだろうし
(地獄の裏設定)


あれっ…

2人は結ばれるんじゃなったのか…?

このKillers in the Skyはここで一旦幕を閉じますが…


Killers in the Sky Part.2に続きます!!

ジャジャーン ドコドコドコドコ…

2022年秋、続編をお楽しみに!!

長文お読みいただきありがとうございました~

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