詩「令和盛夏晩飯劇」
回る 円卓で会議が続く
騎士はおらず 岸もなく
沈黙が止まり 回る
ことは誰にも察知できない
ここにいるのは
わたしと
わたしのからだと
おじの心と
祖母の位牌と
母の形見と
父である
父だけが完全な形をしている
ここまでとは
明かりを灯す役職の
背の高い何かが
真っ白な顔に薄笑いを浮かべて
ふわりふわりと灯をともしては消して遊ぶ
一体何が楽しいの
と聞くと
この役目は自分にしか出来ないから
と
わたしのからだが不思議そうに
それをみている
父は湯のみ茶碗に
焼酎を8
ぬるま湯を1
残り1に
灰をまぶし入れて
28回目のループが終わった
白黒テレビの
あの名選手の最後の
神々しい試合のシーンに
灰酒を投げつける
これで
と
なにが
と
これで雑味がぬけたわ!
と
最後に職人らしいことを述べて去っていった
わたしと家族は
食事を続けて
ごちそうさまでした。
と述べて
皆去っていった 令和盛夏晩飯劇
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