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詩「会話回廊」

「古城をめぐるツアーの最中彼女に別れを告げられた男の話を知っている?」
「それ三回目。」
「アサヒィースゥープァードゥラァァァァイ…」
「それも三回目。」
「そうこれはドイツ語の」
「そうそれも三回目。」
「とりあえず飲もうよ。日も高いし。」
「日高屋だし?」
「日高屋ではないよね。」
「ハイ乾杯こぼさないで。」
「こぼれた。」
「あーあ。(『買ってあげたセーターが』と思った)」

「なんで外見てるの?」
「外を見るふりをして」
「わたしを見ていると」
「そう。」
「わ。」
(圧縮那由多エンターキー t)
「来てよかったかも。」
「でしょ?」
「来ないつもりだった。」
「そう。」
「生ハムがいくらでも食べられるし。」
「うん。」
「それから。」
「うんうん。」
「生ビールがいくらか飲めるし。」
「うん うん」
「そゆとこ」
「そゆとこ。」
「庭木の手入れを誰がしてるんだろう?」
「それは。」
「それは?」
「庭師の」
「庭師の」
「おじいさんかな?」
「おねえさんかも、しれないよね」
「おじいさんだよ。」
「そっか。」

「毎日楽しい?」
「ううん。」
「毎日、楽しくないんだ。」
「楽しくないよ。」
「空がきれいだね。」
「本当に楽しくないの?」
「うん。」
「そう。」
「今だけ楽しいよ。」
「わ。」
「「圧縮那由多エンターキー」」
「「ね。」」
「ところで」
「うん?」
「わたしたち以外には誰もいないのかな」
「うん」
「誰もいないんだね」
「そう 店員すらいない」
「そう 街行く人すらいない」
「わたしたちの」
「うん」「うん」
「「ごっこだね」」
「「そうだね」」




















今まで書いた詩です。


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