詩「間奏芸会」
問い詰められる場面からはじまる。クリスタル・ブルーの道をゆく。と、教室でこの時間に書き綴る。月はくらくらと道をつくる。みちを歩いて欲しい人に、つくっている。小人がつくるらしい。遠くの物音が聞こえる。図書館の本のページひとつひとつを縫うように音が。キスだ。合わせる音が聞こえる。キスだ。小人では、ないだろう。わたしのシャープペンシルは相変わらず詰問に対応している。気圧。風圧。人圧。むずむずを見ないようにする快楽みたいなものが、筆先。シャープペンシルの芯を買い忘れたので、他の人の机の中を探る。ハンカチが入っている。小瓶、香水か。この時代の、板ガムか。校舎と校舎の真ん中に川が流れている。この学校のためにできたのではない川が。
音
カーディガンを嗅ぐ。
隣の椅子にかけてあった。眉毛に繊維に絡まった髪がかかる。桜子。川に混じって 音 中空に爆竹の雰囲気からアルミをこする音が聞こえる。黒板にチョークをすりつける音が聞こえる。すっかり禅問答にも飽きてしまった合宿中の生徒たちが月下美人のようにわらりと暗闇の中の暗闇まがいになっていく。ふける夜。
昨晩は失礼しまして。平常運転。
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