詩「電車が参ります。」

ここには毎日たくさんの電車が来ます
わたしはそれを北側から眺めます
東西東西西東東
目をつぶると電車が増えます
風が吹きます
地下鉄もやってきます
生温さ 決して
爽やかでないまどろみを
連れてきます 流れですから
サーチライトが心を照らす
そして南にはもちろん あなた
視線の動きが見えます
自分を守るようです
空間の中に空間ができます
わたしは
それをまた 眺めるばかり
時折思い出します
何を思い出すのかは
自分でもよくわからないけれど
きっと あなたも思い出します
わたしだけがそのことを知ってます
キャンドルの明かりだけで成る街を
今日もたくさんの電車が通ります
魂に歯型をつけて
わたしたちは叫び続けるのです




















もうすぐ100になりますね。


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