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呼吸法はミルクレープ 成功と失敗を添えて

クレープとクリームが何重にも重なるケーキ、ミルクレープ。今ではコンビニでもレストランでもおなじみのスイーツである。

ずっと頑張り続けて空っぽ。私はガソリンが無くてもなんとか回る機械のようになっていた。「何をするのが好き?」という質問に、学生の頃までなら応えることができただろうか? 働き出してから、結婚してから、子育てをしてから、詰め込んであふれていた私は、自分の好きなことが見つからなかった。何が心地よいのか? も分からず、見当違いの物を買ってはしっくりこないことが多かった。

そんな私が3年前に「呼吸法」と出会う。自分の手首や首の脈に触れて、深呼吸をする。それだけで「トトトト、ト、ト」と脈がゆっくりになるのが分かる。目玉を上に向けて呼吸するのと、斜め45度下を向けて呼吸するのとでは、なぜか下を向いた方が呼吸が入りやすい。

おもしろそう、なんだか不思議、と感じて、仲間と一緒に半信半疑で試してみる。うーん、ちゃんと吸えないな。思い切り吸うとお腹が痛いような感じがした。
いつもいつも当たり前のように吸って吐いている呼吸。そこに意識を向けることはほとんどなかった。

免疫を高めたり、心を落ち着けたり、肺を鍛えたり、感情を手放したり、様々な呼吸法の種類を知る中で、自分が気持ちいいなと思うものだけを続けてみる。バタバタの毎日の中で、ほんのひと呼吸だけでも意識して。とても簡単な呼吸法だと、9秒吸って9秒止めて9秒吐く。これを3回繰り返すだけでも効果が感じられる。9秒がしんどい時は5秒でもいい。心地よさを優先した。

一枚だと薄くて破れてしまうクレープ。クリームだけだと形になりにくい。クリーム、クレープ、クリーム、クレープと1つ1つ積み重ねることにより、形が見えてくる。下手くそで破れたクレープもクリームで補いながら重ねていく。呼吸法も同じように思う。積み重ねることで形が見えてくる。

色々悩んでいる時は、途中で息を止める呼吸法をすると、すぐに苦しくなる。頭が空っぽの時は長く止めていられる。考えすぎているとたくさん酸素を使っているんだな、と自覚する。
自分の状態が分かる。あ、今日は喉のあたりが気になるな、今日は肺のあたりが動きにくいな。緊張していると呼吸が浅くなっているな。今日は調子がいいな。繰り返すと詰まっているところがスッキリするようだ。だんだん長く吸ったり止めたりできるようになる。

呼吸法を積み重ねることで、「普段の平穏な自分」を知る。そのおかげでいつもと違う時に、平穏に戻りやすくなり、仕事中の緊張が和らぐ。昔、緊張したときに急に呼吸法をしてもあまり効果が得られなかったのは、普段していなかったからだった。根っこを見ずに枝葉だけを整えようとしていたようなものだ。

イメージの大切さにも気づく。肺が広がるイメージで吸っていることもあれば、キラキラしたきれいな光や色の付いた光を吸うイメージをもつこともある。吐く息は黒かグレーの煙のようなイメージをすることもある。呼吸をすることで、肺や横隔膜がどんなふうに動くのか、という動画を見ることもおもしろかった。

学び始めた頃は、キッチンで料理をしながら感情が落ち着かず、突然床に座って呼吸法を始め、家族に何事か……と、驚かれた。
ぬるま湯に半身浴でつかりながら呼吸法をすると心地よいが、一度サウナの後に水風呂に入ったまま呼吸法をしたら、めまいでふらついて裸のままで倒れかけた。「ママ大丈夫?」小学生の娘に心配される困ったお母さんである。

習慣にしたいことは、続けている人と一緒にやってみる、仲間とつながって続けることがおすすめである。2か月ほどで自然と習慣になる。好きなもの、心地よいと感じるものを無理なく、が続けるコツだ。

いつもの呼吸は肺の30%ほどの空気しか入れ替わっていないらしい。「アーー」と「ハッハッハッ」を言い比べてみると、ハッハッハッの方が息を吐き切れて、肺の空気がゴロッと入れ替わっているのが分かる。呼吸から、笑いと健康にも興味が出てきて、笑いヨガと出会った。

続けると「いつもの自分」「いつもと違う自分」に気づく。今すぐ自分で自分を整えることにつながる。とはいっても、まだまだ忙しさや葛藤からイライラすることに悩むこともある。けれども、その時に出口の無い苦しい世界に入ることは無くなった。自分を大切にし、家族と心地よく過ごせる日がじわじわ増える。さらに続けると「森林浴」「笑いヨガ」など自分の好きなものが見つかった。嬉しかった。「眠っていた大切にしたいワタシ」が、その中に見えた。

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