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QWERTY配列をやめろ

QWERTY配列。

画像はwikipediaより

わが国で売られているPCキーボードのほぼすべてがこの配列をしている。
US配列だろうが、JIS配列だろうが、アルファベット部分は例外なくこれである。

QWERTYの名前は、キーの左上から6キーを並べてそう呼ばれている。

そんなQWERTY配列だが、



――端的に言おう、クソであると。

QWERTYの原型は、(モールス信号のための)タイプライターだ。QWERTY配列のwikipediaページにも記載があるが、

2 3 4 5 6 7 8 9 -
A E I . ? Y U O ,
B C D F G H J K L M
Z X W V T S R Q P N
(母音と記号を上段に、残りをアルファベット順にぐるっと並べたもの)

のようなふざけた配列が原型のようだ。
ここから多少の改良を経て1900年ごろに現在のQWERTY配列に至り、現在までキー配列のデファクトスタンダードとして君臨し続けている。

……1900年ごろである。
120年以上前の遺物を、我々はまだ使い続けている。

QWERTY配列は、効率が二の次だった時代の遺物だ。入力の効率性なんてものはほとんど考慮されていない。
ローマ字による日本語入力なんてものはさらに考慮されていない。
英語圏の人間が何かを決める時、他言語に配慮しないのはいつものことだが

QWERTY配列ゴミカスのホームポジションを見てみよ。
最も使いやすい指であろう人差し指の下にはどのキーがあるだろうか?

_人人人_  _人人人_
> [F] < > [J] <
 ̄Y^Y^Y ̄   ̄Y^Y^Y ̄

日本人われわれをバカにしているのか?

(追記:最も使いやすい指は中指ではないか、とも思うようになった)

[F]と[J]を使って打てるのは、日本語の文章として明らかに使用頻度が低い文字ばかりだ。
この2つが人差し指の下に鎮座しているのはもはやキーボードを打つ人間をただ迫害したいだけのような気すらしてくる。

他の指も酷い。
[K][S]は問題ない、[D]も悪くはないが、問題は[L]と、[ ; + ](JIS配列) / [ : ; ](US配列)である。

[L]て。ローマ字入力で誰が使うんだよこのキー。
いや、小さい「ぁぃぅぇぉ」を打つときに使えるので、まったく無駄というわけではないが、どう考えても右手薬指の下に置くほどの価値は無い
[ ; + ] もしくは [ ; : ] に至っては、おおよそ使用頻度の低い記号である。
C言語系のシンタックスを汲むプログラミング言語を扱う人ならセミコロンはよく使うが、それを差し引いてももっと重要な文字や記号があるに決まっている。

他にも、日本語の文章を打っていると、同じ手や指で異なるキーを叩く場面が死ぬほど出てくる。
「電気毛布(DENKIMOU{H/F}U)」とか、打ってみろ。だいぶ酷いぞ。
使用頻度が高い母音(aiueo)のうち4つが中段ではなく上段にあるの、なんの冗談だよ(は?)。そのくせに、使用頻度の高い[N]とか[M]のキーが下段にある。終わってるとしか言いようがない。
あと、「ー(長音記号、伸ばし棒)」が数字キーの0の右側にあるのもクソ打ちづらい。カタカナ交じりの文章なら「ー」なんて結構な頻度で出てくるのに、わざわざそのたびに小指を右上に伸ばさなければいけないのは拷問以外の何物でもない。
アダムとイブが知恵の実を食べてしまったので、神は伸ばし棒をあの位置に配置なさったのかと疑いたくなる。

大西配列を考案した大西択磨氏が語るところによると、QWERTY配列はローマ字入力について大西配列の半分以下の効率しかないようだ。

英語を前提とした配列なのだから日本語入力がしにくいのは当然、という意見もあるだろうが、なんとQWERTYは別に英語入力においてもたいして効率的ではない

おわかりだろうか。QWERTYは擁護できる点がマジで何もない、まごうことなきゴミなのである。

この配列に固執する理由は、ただ「そうしてきたから」に過ぎない。これが悪しき慣習の典型例だ。

現代では、効率を追求した様々な優れた配列が存在する。これらの配列は、無駄な動きを減らし、入力のストレスを軽減してくれる。にもかかわらず、多くの人が未だにQWERTYに縛られているのは、怠慢以外の何物でもない。

え、別にQWERTYでも困ってないから別にいいって?

それはお前がクソしか知らないからに過ぎない。QWERTYを使い続けるのは、二本指タイピングしてるのと大差ない。
二本指タイピングしてる人だって、「二本指タイピングでも困ってない」とか抜かしたりするだろ、お前の言ってるのはそれと同レベルだ。
QWERTYとかいう遺物を使うのはいまだに黒電話使ってるようなものなんだよ、わかるか?

今すぐ新しい配列を試せ。
キーマッピングを変更できるソフトウェアを入れて、Eucalyn配列でもTomisuke配列でも大西配列でも、ローマ字入力の効率性を考えて作られた配列なら何でもいいから、それに変更するんだ。今すぐQWERTYをやめろ。
英語を打つことも多いって?それでもだ。QWERTYは英語の入力効率もクソだ。

QWERTYに慣れているからといって、新しい配列に移行することをためらう必要はない。

別にQWERTYをやめたからといって、QWERTYが打てなくなるわけじゃない。現に自分もQWERTYをやめて2年弱が経過するが、QWERTYの速度はほとんど落ちていない。普段と違う環境でQWERTYを使わねばならない場合とか、仕事場でQWERTYキーボードしか使えない場合でも問題ない。打ちにくいな~、とは思うが。

「また一からキー配列おぼえんの?QWERTYも結構覚えるの苦労したのに」という声を受信した気がする。

これに関しては、言いたいことは、まあ分かる。
確かに、以降直後はめちゃくちゃタイピングが遅くなる。それは否定しない。自分もe-typingのスコアが一時的に50にまで落ちた。
しかし2週間で200に到達し、実用上問題ない速度域まで戻ってきた。現在のスコアは308である。対して速くないって?まあそれはそう。
それに、ローマ字入力を意識した配列は日本語が打ちやすいから、覚えやすい。母音の位置や使用頻度が高い文字が打ちやすい位置にあるので、それをヒントにできる。おそらくQWERTYよりは早く習得できると思う。

新しい配列にする、というと「タイピングを早くしたいのか?」と思われることがあるが、QWERTYをやめる利点はタイピング速度の向上にとどまらない。無駄な動きを減らして疲れにくく、そして楽にタイピングができるようにするのが主目的であり、速度向上はむしろ副次的効果だ。
新しい配列に慣れればその恩恵は計り知れない。手の疲れやタイピングのストレスから解放され、作業効率も爆上がりだ。

ほかのデメリットらしいデメリットは、QWERTYを前提にしたショートカットキーの位置がぶっ壊れることである。こればっかりは、使ってるソフトウェアのショートカットキーを編集するほかない。だがこれはソフトウェアがQWERTYゴミを使っているから生じるゴミショートカットなので、さっさと変えてしまえばいい。ショートカットを変えて、QWERTYを前提にするソフト開発会社に圧力をかけろ。そんなんは圧力にならないって?知るか
一応その辺を考慮して、ZXCVあたりのキーはそのままになっている配列も多いぞ。

QWERTYをやめろ。
そして、効率的な配列でハイになるんだ。(は?)

変化を恐れて、時代遅れの配列にしがみつくのはやめろ。新しい配列に挑戦し、その効果を実感するんだ。それが作業を楽で効率的にする最良の方法だ。

今すぐQWERTY配列をやめろ。

……まあ、QWERTYをやめても、それでも現状のキーボードにはクソなところがけっこう残っているので、いずれはそのことについて書くかもしれない。ただ、QWERTYというド級のクソがあまりにもクソなので、今回はQWERTYについてだけ書いた。
キーボード自体をどうにかする段階まで行くと、文字通り世界が変わる。パラダイムシフトである。配列の変更だけだと、黒電話→PHSぐらいなもんだが、キーボード自体から改善すると、黒電話→最新スマホぐらい変わる。
ただまあ黒電話→PHSも十分やばいからな。QWERTYをやめない理由にはならないぞ。それでもQWERTYをやめないのはただの怠慢でしかないからな。

というわけで、

今すぐ、

QWERTY配列を、

やめろ。


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