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行ってみたくなるカフェが出てくる小説

やさしい気持ちになりたい

いろんなことに疲れて果てて癒されたい

ホッと一息つきたい

そんなときに手にとって読みたくなる本レシピ

自分もいつかそんなお店がだせたらすてきだな。

しあわせのパン 三島 有紀子 著
原田知世さんと大泉洋さん主演で映画化もされていて空気感の再現もばっちりなので、映像で見るとますますその世界にひたれます。背景にはいつも、北海道のどこかでパン屋で宿泊もできる素敵なお店を経営する、ちょっと他人行儀に思える不思議な関係性のオーナー夫婦のストーリーがありつつ、春夏秋冬でお店に立ち寄るお客様が主役で入れ替わり立ち代わり。職場の人に見栄を張っちゃった恋人と沖縄旅行の予定だったOL、お母さんが家を出て行ってしまって寂しい小学生の女の子とそのお父さん・・・オーナー夫婦を取り巻く人々も個性的で童話的。短編でも読めるのでたまに気に入った章だけ読むこともできる。誕生日ケーキの代わりのパネトーネ・・・興に乗って作られたラザニアが食べたい。。。冬の寒い日のポトフも魅力的。パン屋なのに、パンが嫌いなお客様のために吹雪の中近所まで車を走らせお米を調達して炊いてあげる。そんなオーナー夫妻の自然に普通に行動する心意気に素敵だなぁこの人たち!!と思わずにいられない。カンパーニュの語源を知ってしみじみとパンのよさを再確認してみたり。大きなパンを大勢でちぎって分け合いたくなります。

それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)吉田 篤弘 著

とても素朴で美味しいサンドイッチと、温かくて丁寧に作られたスープ。それからポップコーンが欲しくなる。オーリィーくんのほのぼの感に癒されます。サンドイッチ屋のご主人と息子の眼鏡君も、大家の大矢さんも。あまりにもこの世界観が好きすぎて、月舟町からでたくなくて、この本を読むと立て続け読書となり、結局トータルで月舟町3部作全部読んでしまう。

月舟町三部作「つむじ風食堂の夜」 「それからはスープのことばかり考えて暮らした」 「レインコートを着た犬」

虹の岬の喫茶店 (幻冬舎文庫)森沢 明夫著
こちらは、女優吉永さゆりさんが企画担当されて映画化もされましたね。
悪人は一人もでてこない。泥棒ですら善人。ひたすらやさしくて少し哀しい。いつもより少し丁寧にコーヒーを淹れて飲みたくなります。

かもめ食堂 群ようこ著
いわずと知れた。ですかね。北欧ブームの一端を担ったといってもいい。この後ちょっと素敵なショップの名前はフィンランド語になりがち。昭和は英語、平成でフランス語からフィンランド語に。勝手な私のイメージですが。おにぎりを握って、生姜焼きや鮭の塩焼きを作ってみたり、シナモンロールに挑戦してみたり。アラビアの食器やフィンランドの薬缶やらもバカ売れしたし、ちょっと気が利いたおしゃれブロガーのキッチンが軒並みかもめ食堂化したりでややミーハーなイメージが残念だけどついちゃってる。そんなこんなで敬遠されている方は、一度全部忘れて読んでみて欲しい。ちょっとイメージ変わると思います。コーヒーを入れるときのおまじないを真似している人はきっと今もたくさんいる。映画はちょっとファンタジーよりです原作のほうがもう少し現実っぽいです。

「ヴァン・ショーをあなたに」「タルト・タタンの夢」「マカロンはマカロン」近藤 史恵著
シェフの三舟さんとおしゃべりしてみたくなる。ビストロに訪れるお客様の日常のちょっとした謎を解いてしまう。名探偵シェフ。謎解きも面白いし、料理もおいしそう。コージーミステリーと言ってしまうのはちょっと違う気もするけれど、なんというジャンルになるんでしょうね。このお店の料理は一般家庭ではまねできない。近所にこんなビストロがあったらなぁ。そもそも、このお店で働いていたら一生退屈しなさそうです。ちなみに行ってみたいお店ではありませんが、近藤史恵さんのモップの天使シリーズは読むとお掃除がしたくなり、家事のモチベーションアップに使わせてもらったりしてます。

ショコラ ジョアン ハリス 著(角川文庫)
ショコラ (角川文庫)Amazon
もしかして本当に魔女の末裔?ふしぎな直観力を持つヴィアンヌの作り出す極上のチョコレート。私にはどんなチョコレートをオススメしてくれるんだろう。この本を読むならちょっと奮発した高級チョコレートをかたわらに用意しておくことを強くオススメします。夫のDVですべてをあきらめていたジョセフィーヌが強く自立していく姿、不良扱いされているチャーミングなおばあさんのアルマンドと孫や娘との関係、断食中で必死で突っ張っているかたくなな神父(ちょっとかわいそうになってくるくらい)との対決と、小さくまとまって動かなかった村がヴィアンヌ親子の登場で生き生きと動き出す。アルマンドの企画したバースディパーティーも、ルーたちジプシーの川辺のパーティーもどっちも参加したい!こちらも映画化されてますね。ジュリエットビノシュとジョニーデップ主演です。映画では神父はなぜか公爵ということいなってます。

パンとスープとネコ日和  群 ようこ (著)
こちらはこんな考えのオーナーがいるお店が近所にあったらいいなぁ。と思います。またこういう雰囲気のお店を好きそうな客層のことも著者はよくご存じで(笑)その辺のちょっとした部分の描写とかホント好きです。体調が悪い時こそ自分が料理できないんだから外食っておもいつつ、食べれそうなお店って少ないけど、ここなら元気な時はもちろん、元気が無い時もいきたい。

群ようこ・小林さとみ・もたいまさこ・北欧・ミナペルホネン

とかもめ食堂がそのまま日本のカフェになったような映像をDVDで楽しめる。
原作のドロっと感がDVDにはそこまででてなくて小奇麗にまとまってる感がしますが
映像で癒されたいのでそれでいいのだ。

そして、堂々行ってみたいフィクション内のお店、堂々第一位(私調べ)そして多分似たようなお店はおいそれとは見つからないであろう、隠れ家的不規則営業の夜食カフェ

マカンマラン4部作 古内 一絵著

昼間は手の込んだ手作りのダンス衣装など、きらびやかなアイテムを置くお店。夜はオーナーさんがそんな素敵なアイテムを作るお針子さんのために夜食を作る。だから厳密にはカフェではなくまかない料理なのだけど、お針子さん以外、縁があって導かれてきた人々はその夜食をいただけるのです。ちなみに、そのお店のお針子さんも、魅力的でカリスマ的なオーナーさんもみんな、「品格あるドラァグクイーン」なのです。自分らしく一生懸命生きるって本当に大変。だけど明日もまたありのまま、今の自分をまず自分が受け入れて頑張ろう。そんな気持ちに自然とさせてくれる。素敵なお店なのです。


大切な人に食べてもらいたい、安心安全でシンプルな材料で手作りのお菓子を誠実に丁寧に作れる範囲内で売る、みんなに愛される小さなお店を開きたいと思っています。