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『✕○!i』第27話「懐かしい宇宙」

 ふたりはふたり、でもひとり。

オカシイね?

ひとつがふたつにわかたれる。

そのいたみがおしえてくれます。

ふたりはともに生きていることを。

ふたりでひとり。

だれにだっているはずだよ?

魂のふたごが。

 とんで……とんで……とんで……とびつづける……、

はるかにほし。

くおんにかなた。

きかがくにまほうを。

げんしょにかがくを。

宇宙をとぶふたり。

 ぎんがのうみにはまだまだしらないことが、

たくさんあるはず。

 たとえば、

とぶふたりをたのしげにみつめる人々。

うちゅうじんかな?

それでもふたりはしっているんです。

うちゅうじんなんて、

どこにでもいること。

かんがえてもみてください?

 ほら?

あなたがうちゅうじん♪

………………
…………
……

 おんなのこは魔王にたずねます。

「魔王さま? 宇宙のはてはどうなっているんでしょう?」

「わからないよ……。どんなにちいさな塔でえらそうにしてても、ぜんぜんとどかない。でも……それでも、宇宙をみてるとおもうんだ」

「それは、わたしめとおなじおもいでしょうか?」

「きっとそうさ」

 ふたりは手と手をさらにぎうとして、

きっと、

おたがいに、

おもったことでしょう……、

……ああ……懐かしいなって……。



 ギュッとして。
そとがわにうちゅう、うちがわにうちゅう。
どっちもたいせつ。

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