複業始めました
キンモクセイのいい香りが漂いはじめましたね。
ようやく暑い夏が過ぎ、秋が来たようです。
タイトル通りなのですが、9月から複業を始めました。
本業はフリーランスで医療系翻訳後の校正(チェッカー)をしています。
元々は英日翻訳者だったのですが、信頼していた人から裏切られたり、人間関係のいざこざに巻き込まれたり、自身のスランプなんかも重なって、しばらく翻訳から遠ざかろうとしていたのです。
今までも何度も辞めようと試みたのですが、なんだかんだ、英語を使う仕事に戻される。
この仕事を始めるときも、たまたま短期の派遣で入った会社が翻訳会社で、医薬営業部というところに配属された社内チェッカーでした。
自分で一から訳すことはほとんどありませんが、訳抜けや誤訳があるときは追記や修正をし、情報の裏取りや数字のチェック、レイアウトなど、訳文全体をチェックしていくのが仕事。
ほとんどの案件が、これから世の中に出ていく医療機器や医薬品なので、かなり神経を使うのですが、単価が本当に安くてですね。。
というのも、校正チェッカーは通常、翻訳者の卵が翻訳業界に入るための足掛かり的な位置にあるのです。(とはいえ、品質向上のために翻訳者から校正者になった方もいますよ)
確かに上手な訳者さんが訳したものであればとても勉強になりますが、そうでもない訳者さんに当たったときは本当に大変で、一から訳しなおすようなことになることも。
にもかかわらず、校正チェッカーの単価は翻訳者の5分の1程度。
大型案件が立て続けに入ればいいですが、月によってかなりバラつきがあるのが現状です。
ありがたいことに、ここ3年ほどで依頼をくださる担当者さんは増えたのですが、1日当たりの作業量には限界があるし、私自身の精神状態を保つためにも、忙しすぎない程度のバランスを取りながら仕事しています。
複業をしようと思ったのは、収入面の不安と、人と関わらなくなってしまったこと。
以前はあるコミュニティに属していたので、そこに行けば友人たちと話す機会もあったのですが、今は辞めてしまったし、常に友人から連絡があるわけでもない。
なので普段の話し相手はパートナーや家族だけ。
まれに仕事の依頼等で電話で話すこともありますが、ほとんどがメールのやり取りで完結してしまうんですよね。
人と関わる仕事がしたい、と思った矢先、たまたま近所にビジネスホテル(カプセルホテルのようなドミトリー+個室があるホテル)があり、そこで客室清掃とフロント業務の募集があるのを知ったのが去年のこと。
仕事を掛け持ちすることで自身のバランスが取れるか?など、さんざん悩んではいたものの、なぜか絶対に受かる自信があったので、応募のタイミングを計り、ようやく応募したのが今年の8月で、9月から複業を開始した、という感じです。
ホテルの仕事は週2~3日、10時半ごろから14時までとしたので、チェックアウト後の清掃がメインです。
約1か月経ちましたが、時間が限られた中で清掃していくので、思っていたより体力が必要でした。
こちらの仕事を終えて帰宅し、本業の仕事に取り掛かろうとしても、疲れ切って頭が働かないことがほとんど。
幸い、本業の納期は若干長めに設定されているので、無理せず普段のパフォーマンスを保てるよう、今後調整が必要かもしれません。
一方、インバウンドのお客様が9割のホテルなので、清掃中にお客様から要望やお困りごとを相談されることが多かったのはこちらの思惑通り。
片言の日本語で話しかけられることもあれば、英語で話しかけられることもあり、できる範囲で要望に応えることが今は楽しいです。
先日、どちらから来日されたかわからないお客様から英語で話しかけられました。
なので英語でお答えしたのですが、どうにも通じない。
しまいには、『English, No, No』と言われたので、英語も片言だったのでしょう。
身振り手振りに加え、翻訳アプリを使って会話が成立したときには、お互い『ヤッター!!』と喜び合ったほど。
かと思えば、英語がとても上手な中国人に『お勧めの日本料理屋はないか?』など、お客様との会話を楽しんでいます。
せっかく何かの縁で一瞬でも関わりができるのなら、気持ちよく楽しんで過ごしてもらいたい。
そんな想いで清掃業務を楽しんでいる今日この頃です。