見出し画像

刀ステ 无伝夕紅の士 ネタバレ感想


ディレイ配信でやっとまともに見ることができた筆者です。
本当はライブも見たかったんですけど、大学の授業とか部活とか眠気とかで見ることができませんでした。

今回は刀ステ无伝夕紅の士について、4つのシーンを取り上げて私が思ったこと、考えたことを書いていこうと思います。


タイトルにもある通りがっつりネタバレあります。

むしろネタバレしかありません。

大丈夫ですね?

文句は受け付けませんよ?

それでは行ってみよう!!

1,政府の時間遡行ゲートは時間軸だけでなく世界線も選ぶことができるのではないか


大千鳥十文字槍たちの言葉

なぜ我々が大坂夏の陣ではなく冬の陣へ飛ばされたのか。それは我々が目指した真田信繁が生きている大坂夏の陣が存在しないから


刀ステ本丸では歴史というものを一本の糸でできていると表現したことがあります。目指した地点が信繁の抗いによって消滅したことで行くことができなくなったため目指した場所と近い過去へと飛ばされたと考えられます。

ここで私は思いました。

信繁が生きている大坂夏の陣へ飛ぶとかいう細かい指定できるんだ!?

転送ゲート、時間遷移門、出陣ゲートなど呼び方は様々あると思いますがその役割は時間を遡ることだと思っていました。
しかし、大千鳥たちの言い方だと世界線まで選べるという解釈もできそうなんですよね。どの状況のどこの時間にだれを飛ばすという設定ができるのは果たして政府のゲートだからなのか、それともどの本丸のゲートでもできることなのか。

疑問が残る話となりました。


2,永遠にも等しい戦いの中でどうしたら狂わずにいられる?by鶴丸国永


三日月と鶴丸の会話。

鶴「この戦いに終わりなどないのかもしれない。

もし永遠に続くのだとしたら驚きを通り越してぞっとする。

この戦いに終わりがないとしたらどうしたら狂わずにいられる」

三「容易いことだ」

鶴「容易いか」

三「ああ。俺達にはあの本丸がある」


この会話ののちスクリーンが開くとそこにはトルソーに着せられた刀剣男子たちの衣装がずらり。

このシーンがなぜかすごく衝撃でした。

衣装が並んでいるだけ。なのになぜかそれが墓標に見えて仕方がなかったのです。大阪城下が焼けている最中なのでライトが赤系だったこともあるんでしょうか。

最近の刀剣男子たちの話をしているはずなのにすごく昔の話をしているように聞こえてしまう。
本丸が襲撃されて生き残ってしまった三日月と鶴丸がみんなの思い出話をしながら折れた刀を拾っているような、そんな印象を受けました。

怖かった・・・。


3,豊臣秀頼と高台院

死に際の秀頼様、生き生きとしていましたね。

生まれながらにして天下人。しかしそれは自分の能力を何一つ証明してはくれない。
英雄である父秀吉を超えるため戦を欲した秀頼様(ついでに徳川秀忠様)。

高台院が豊臣の物語を終わらせようとする姿勢にずっと疑問を持ちながらも豊臣を存続させようと奮闘している姿はとてもかっこよかったです。

最終的に真田十勇士は三日月に敗北し歴史改変はなされることなく豊臣は滅亡していきます。

しかしその死に際、満足した顔で迎えている最後は本当にかっこよかったと思います。

天伝で一期一振と対話していた時(天伝1幕ラスト)には自身の出生に悩み、戦がない世に生まれてきたことへの焦りのようなものを抱えているようでした。ですが徳川方との大戦、冬の陣・夏の陣を駆け抜けたことで自身の在り方について納得いく答えが見つかったのでしょう。

この秀頼様を見ていると、地位や身分だけで自分の人生が満足するわけではなく自分の野望とその達成感自分らしく生きていくこと自分が納得できる何かをつかむことが自分の生を満足させる要因であると強く感じることができます。

言いなりの人生では何も得ることはできない。

自分自身の決断・意見・思いを大事に生き、最期に後悔することなく死にたいと思いました。


そして高台院。

一度は目を背けた豊臣の物語の終わりを見届けるため黒田如水によってこの大坂夏の陣へと飛ばされました。

歴史改変は望んでおらず歴史のあるがままに豊臣が滅びゆくことを受け入れています。
そのため真田十勇士に対して刀剣男士や徳川方との戦を禁じていましたが三日月に自身を殺させる対価として刀剣男士と真田十勇士が戦うことを許可します。


高台院を演じるのは一路真輝さん。
前作改変戦世の徒花の記憶で細川ガラシャを演じた七海ひろきさんと同じ宝塚出身の女優さんです。

戦国時代の女性は強い方が多いイメージなのですが、そのイメージを崩すことなく芯の強い高台院を演じてくださいました。

もちろん強さだけでなく母としてのやさしさ、女性としての柔らかさなども感じるすごく魅力的な高台院でした。


何がすごいって人間は時空を超えることなどできないと冷静に分析し、自身が人ならざる者になってしまったことを自覚していること、過去を変えようと思わないこと、人ならざる者になった自身を殺せと迷わず言い切ることです。

今ならまだしも彼女たちが生きているのは戦国時代。
時を超えるなんて考えもしないような世の中だと思うんです。ありえない現象を目の前にして冷静な判断ができるというのはすごいですよね(語彙力ゼロ)。

最期に秀頼様の介錯をし、いとおしそうにこと切れた秀頼様の頭を抱えている姿はぐっとくるものがありました。

4,新刀剣男士と新しい物語

豊臣秀頼と高台院が死に物語は終わりを告げます。

これでエンディングだなと思っていたその時でした。

血に染まっていく桜と幾多の刀の元で新たな刀剣男士鬼丸国綱が顕現します。

これだけではあ!?ってなったんですけどさらにもう一つ。

物語が時間順になっているあの表に変化が起こります。


本来なら无伝に続く物語は悲伝 結の目の不如帰であるはずでした。
しかし悲伝の文字は陽伝へと変わり、新たな物語が語られることになります。


本編の途中で黒田如水が言っていた
「真田十勇士だけではだめだったから高台院を送り込んだ」
という言葉。


この言葉から

悲伝・・・真田十勇士のいた大阪夏の陣をふまえた物語
陽伝・・・真田十勇士と高台院がいた大坂夏の陣をふまえた物語

であると考察することができます。


三日月宗近が円環をめぐっていることが判明し、鵺と呼ばれる刀が現れ、山姥切国広に託し、刀解され、虚伝へと戻っていく刀ステ本丸にとっての大きな転換点である悲伝。

悲しみの物語から陽(太陽)の物語へ。

どう変化するのか楽しみです。


本来なら多分次の公演が陽伝になる予定だったんでしょうけど、コロナのせいで次はひとつ前の物語である綺伝が上演される予定(2022年春)なので2023年以降になりそうですね。

楽しみにしていたいと思います。


終わりに

天伝については何も書かなかったのにとお思いの方もいるかもしれないんですけど、書かないんじゃなくて書けなかったんですよ。

太閤左文字劇場とか山姥切国広の修行未帰還問題とか書きたいことはいっぱいあったんですけど物語が完結していなかったことと一期一振と秀頼様の対話が頭から離れないことが原因で書けませんでした。

天伝所見の時、一期一振の魂の叫び(絶叫?咆哮?)のような声で自分の正体を明かしているシーンがどうしても頭から離れませんでした。
あそこにいたのは紛れもなく刀剣男士一期一振であったと思います。

天伝についてはまた書きたいとは思っているので気長にお待ちいただければと思います。1幕の最後大好きすぎてあそこだけ永遠にリピートできそう。円盤はよ。それか配信。


通して見たのは一回だけなのでセリフはところどころ意訳だったり違ったりするかもしれませんがご容赦を。
何回か見直すので後日加筆修正していきたいと思います。


あと、何回でも言うんですけど刀ステ本丸の物語はだいたい織田信長と黒田官兵衛と三日月宗近の策略のせいだと思ってます。


ではまた何かの記事でお会いしましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?