個人の資産形成をサポートする私が、いまnoteをはじめる理由
はじめまして。LIFE MAP合同会社の竹川美奈子(たけかわ・みなこ)です。
このたび、noteを始めることにしました。
現在は個人の資産形成をサポートする仕事をしています。具体的には、資産形成のツールである投資信託といった金融商品や、NISA(少額投資非課税制度)、iDeCo(個人型確定拠出年金)といった資産形成を応援する制度を解説する本を執筆したり、セミナーや企業研修でお話をしたりしています。
これまでの経歴
もともとはメディア出身です。大学卒業後、日経事業出版社(現.日経HRと一部日経BPに)や親会社である日本経済新聞社への出向などを経て独立。独立後はマネー雑誌で投資信託などの取材・執筆活動を行ってきました。
1990年代後半は株式の売買委託手数料が自由化されてネット証券が登場したり、独立系の投資信託会社が誕生して販売会社を通さずに個人に直接販売(チョクハン)を始めたり、2001年から確定拠出年金がスタートしたり…。
個人の資産形成における黎明期の空気を肌で感じ、「これからはだれもが資産形成を真剣に考える時代が来る!」。そんな風に思ったのを覚えています(実際にはそれほど速くは進まず、亀の歩みでしたが…)。
それ以来、投資が趣味でも仕事でもない、ふつうのビジネスパーソンが資産形成する上で役立つ情報を発信してきたつもりです。
転機は2007年に初著書『投資信託にだまされるな!本当に正しい投信の使い方』(ダイヤモンド社)をだしたこと。個人投資家目線に立って投資信託のしくみをわかりやすく解説し、20万部を超えるヒットとなり、その後も、定期的に本を出す機会に恵まれました。投資信託やiDeCo(個人型確定拠出年金)、NISA(少額投資非課税制度)、お金の見える化など、改訂版も含めると20冊・累計58万部になります。
セミナーに参加された方から「竹川さんの本はどういう順番で読めばよいですか?」という質問を頂戴することがあります。どれからお読み頂いてもよいのですが、主な著書の特徴・流れを以下のようにまとめてみました。
また、2010年6月から草の根の個人投資家さんたちの交流会『コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ(東京)』の共同幹事を務めています。
そして、2013年から2019年までは投資家自身の手でよりよい投資信託を表彰し、よりよい投資環境を作っていこうとするアワード「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the」の運営をお手伝いしたりするなど、資産形成・投資のすそ野を広げる活動に取り組んできました(いずれもボランティア)。
noteを始める理由(わけ)
今回noteをはじめるのは、「コツコツ投資家さん」1人ひとりのストーリーを届けたいから。
コツコツ投資については明確な定義が存在するわけではありませんが、敢えて整理するとこんな感じでしょうか。
多くの人が抱く投資家像は株や為替を比較的短期に「売り買い」することで利益をあげる人たちかもしれません。実際、書店の投資コーナーをみても、短期売買の指南書が山積みされています。短期的な値動きだけに注目をして1日に何度も株や為替を売り買いする手法は投資というより、「投機」に近いものです。
「これから何が上がるの?」「何を買ったら儲かるの?」ということを日々考えて、短期で売り買いする――こうしたイメージから脱して、じっくり投資を続けるというスタンスに立てば、日常生活の一部として、投資と長くつき合っていけるのではないでしょうか。
実際に、最近では長期でじっくり投資に取り組む人たちもじわじわと増えてきています。ビジネスパーソンがめざすべきは「日常の暮らしの中にある投資」です。
2024年からNISA制度が恒久化されるなど、長期投資ができる環境が整ってきました。投資に関心を持つ人もふえてきたと感じます。その一方、「これを買っておけばOK!」「非課税投資枠を早く埋めるが勝ち!」といった、唯一の正解があるかのようなSNSのポストも散見されます。
でも、投資はもっと懐の深いものではないでしょうか。
1人ひとりにストーリーがある
投資が趣味でも、仕事でもない、フツーのビジネスパーソン(生活者)が、日常生活の中に投資をどう取り入れ、どう付き合っているのか。なぜ続けられたのか。投資を始めたことで何か変わったのか。
これは、私自身が知りたい「問い」でもあります。
2016年に『臆病な人でもうまくいく投資法-お金の悩みから解放された11人の投信投資家の話』を出版しました。コツコツ投資家さんたちに、投資をはじめたきっかけや、現在の投資スタイルにたどり着くまで歩み、投資を始めて感じたこと、などを語ってもらいました。
そこで感じたのは、「お金とのつきあい方や投資スタイルは、その人の性格や価値観に収れんしていくのだな…」ということ。
低コストのインデックス投信の積み立てを中心に据えている人もいれば、そこにアクティブ投信を加えたり、個別株の投資を行っている人もいました。投資とのつきあい方は、1人ひとり異なります。そこにたどり着くまでにはその人なりのストーリーがあります。自分と同じような立場の人たちがどう考えてどう行動したのかは、皆さんがこれからの投資を考える上で参考になることも多いはずです。
なぜ今はじめるのか
コロナ禍を経て、ようやく人に直接お会いして取材ができるようになりました。出版から7年半経ち、生活スタイルも変わる中、改めてコツコツ投資家さんたちに取材したいと思うようになりました。『臆病な人でもうまくいく投資法』に登場した方をはじめ、新たにお話を聞いてみたい方もたくさんいます。
できるだけ全国のコツコツ投資家さんたちのもとを訪れて、直接お話を聞いていきたいです。そして、NISAの口座数や投資額といった数字からだけでは見えてこない、1人ひとりのストーリーを書いていきたいと思います。それ以外にも、投資信託のお話や、投信の運用報告会・イベントに参加した時のリポート、NISAやiDeCoに関するひと言解説などの発信もしていきます。
投資は人生のメインではありません。幸せになったり、楽しく暮らしたりするための手段です。
だからこそ、生活の中に取り入れて、うまくつき合っていきたいものです。これから投資をはじめたい、投資をはじめたけれど迷いがある、他の方がどう投資と付き合っているのか気になる…。
理由は何でもよいです。読んだあと、投資に対するこわさが少し和らいだり、一歩踏み出す勇気を持ってくれたりして、生活の一部に「投資」も少しだけ取り入れてみよと思ってくれたら嬉しいです。
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