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「またね」

EP②
私を呼ぶ声が聞こえた。
優しくて暖かくて、君の声だとすぐに分かった。
君は変わらず私の名前を今日も呼ぶ。
「彼女いるくせに」
て言い出せない私もどうかしている。
「彼氏できた?」って君は聞くけど、
「いるよ」て言ったら君はどう思うかな。
そんなどうしようもない日が続いた。

「好きだった。今も昔も」
と君に言われたのは私が告白した次の冬だった。
後からわかった。「誰かを好きでもいいから」と
彼女に言われたらしい。
私たちは手を繋ぎ体を重ねた。これ以上ない幸せ。
君からの連絡も増えた。
「彼女と別れた」その言葉をずっと待ってた。

でもその言葉を聞くことはなかった。
「彼女と別れないの?」と聞くと
「いろいろあってね」とまたその言葉。
言いたいこと、聞きたいことがたくさんあるのに「ごめんね」と抱きしめられると抗えない。
「愛してるよ」その言葉私は信じてるよ

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