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「またね」


EP①
好きになってはいけない人を好きになった時、
結ばれる事がないと分かった時、
それでも好きになってしまった時。
私はどこまで君を愛せるだろうか。

初めて会った時、
すぐに分かった世に言う「運命」とはこの事だと。  

2つも年上の君はキラキラと眩しい笑顔を見せた。
「またね」その言葉に単純な私は期待する。
君の「またね」が大好きだった。

夜もすぐそこなのに「会いたい」と君からの電話
特に大した話でもないのに君の隣にいるだけで冷え込んだ夜風さえも感じなかった。
私の名前を呼ぶその胸に抱きしめられた小さな体は思わず「好きだよ」と言ってしまいそうだった。
「送ってく」とても嬉しいはずなのに
断ってしまうのが女である。

「君は女、僕は男」と私の手を引っ張った君の言葉は「特別」なのかと勘違いする。
今日も聞けた君の「またね」やっぱり大好きだ。

「好きです」
君にそう言った日は彼女ができたと知った日だった

戸惑う君になんだか泣けてきた。
こんなにも簡単に口から出るのならもっと早くに、君の弱さを知ったあの日に、言えていたらと
また泣けた。
「でも彼女いるから」なんて君はずるいよ。
「彼女がいなかったら」なんて思ってしまう。
優しいんだね。
「嫌いになった?」なんていうから許してしまう。その先はもう言わないで、

「嫌いにならないで」と言う君を突き放せなかった

初めて君の「またね」を避けた。

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