イベントと大人。

お正月、豆まき、バレンタイン、ホワイトデー、ひなまつり、花見、夏祭り、誕生日、ハロウィン、ポッキーの日、クリスマス。

1番イベントが多かったのは大学生の時だったな、と思う。友達とバイト代を財布に詰めて初売りに行く。友達の家で落花生を投げつけ合い隣の住人から壁ドンをもらう。女の子の日だからとちょっぴりお洒落なお店でしょうもない話をしながらお酒を飲む。花なんて大して見ずインスタ映えの写真を撮って出店を楽しむ。気付けができる子の家にみんなで集まって各々の彼氏の元へ向かい、夏を楽しんだ報告会をする。お店の店員さんからお客さんまで巻き込んだ大人には恥ずかしいサプライズをしかける。大量にお菓子を作って学食の大きな机でお菓子パーティーをする。大量にお菓子を買って近所の人に通報されない程度のクオリティのコスプレをして友達の家へ突撃する。近所のコンビニをまわってポッキーをやたらと買い集めて店員さんに笑われる。お洒落をして彼氏とクリスマスディナーにでかける。

イベントと遊びとバイトの合間に授業に出て、就活をして。大学を卒業して、馬鹿ばかりしていた友人も私もシャカイジンになった。世間から見たらきっとリッパナオトナ。

社会人になって2年。

実家に帰りお年玉の代わりにお酒とごちそうを食べ、友達と初詣に行く。帰省した友達と出店と偶然の再開を楽しみに花見会場に顔を出す。仕事帰りに花火の音を聞く。友達からラインで誕生日おめでとうとメッセージが届く。ニュースで仮装した人を見ながら鼻で笑う。スーパーの飾り付けでクリスマスを感じながら一人鍋の材料を買う。イベントの日が過ぎてから思い出すなんてざら。

随分イベントが減って、内容もしょっぱくなったものだ。

私が思う豊かさには、時の流れを感じられる、というものがある。朝日や空のてっぺんの太陽や夕日を感じること。小さなイベントをふわっと楽しむこと。

そしてもうひとつ、イベントは誰かと楽しむこと。

イベントを楽しめる人は、シャカイジンにもいるはず。学生に戻るんじゃなくて、学生よりお金と知恵が増えた楽しみ方をしたいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?