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はじめての金沢/金沢旅行記①
「金沢にしておくか~」
4月の金沢旅行はそんなつぶやきから始まった。
学生時代からコツコツためていたマイレージ。
その期限が4月末に迫っていた。
旅行をしている余裕はあまりないが
使えるなら使ってしまおう。
そう思い立ったのが3月の中頃。
問題になるのが、どこに行くのか、ということ。
あまり遠出をする気力がなかった。
かといって、近すぎるのも意味がない。(飛行機だし)
遠すぎず近すぎず
かつ、今まで行ったことのない場所。
それが金沢だった。
生まれて初めて北陸へ
久しぶりに空港を使った。
最後に飛行機に乗ったのは確か5年前。
沖縄に行った時だったと思う。
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荷物を預ける窓口を探してウロウロ。
この数年で空港も大きく変わったらしい。
受付はすべて機械化されていた。
誰とも会話することなく、チェックインまで済ませる。
羽田から小松までは1時間の飛行。
眼下には雪が積もる山脈が広がる。
まだ冬は終わってないぜ、と言わんばかりだ。
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アッと言う間に中央高地を飛び越え、小松空港に到着。
生まれて初めて北陸の土を踏む。
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「思ってたより日差しが強い」というのが最初の印象だった。
空港から金沢へはバスが出ている。
予約制ではないため、急いで乗車券を購入する。
車内は補助席も使うほどの超満員。
隣に座った外国人観光客が陽気に声をかけてくる。
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飲食店はどこも行列
仕方ないので、予約していたホテルまで歩く
街の中心は駅から徒歩10~20分ほど離れた場所にある
「ただの地方都市じゃないかもしれない…」
金沢駅に到着して最初にそう思った。
例えば鼓門。
映像で見たことはあったが、実物を前にすると大きさに圧倒される。
その背後のもてなしドームもまた立派だ。
ガラス張りの幾何学模様が美しい。
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いままで、それなりに日本中を旅してきたけど
駅前にこんなに豪勢な建築物がある街はそうそう無い。
金沢、思ってたより凄い街なのかもしれない。
そして、寒い。
もっと厚着をして来ればよかった、と後悔した。
気温はそこまで低くないのだが。
風が強い、冷たい。
北陸の春は、東京ほど長閑ではないらしい。
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近くのうどん屋で遅めの昼食をとる
金沢は文化圏で言ったら
西日本と東日本、どっちなんだろうか?
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駅中の店とは打って変わって、静かな店内
法事に来た人が立ち寄っていく店なのだろう
金の街
ホテルに荷物を預け、さっそく金沢の街を歩くことに。
まずはどこに行こう、と地図を広げ考える。
無職になってから旅の予定を立てなくなった。
時間だけは持っている、というのもあるけど
見知らぬ街を思うままに歩くのが好きなのだ。
その日暮らし旅だ。
まずは金城霊澤(きんじょうれいたく)に向かうことに。
金沢の名の由来になった場所で、付近には兼六園もある。
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道中の百万石通りは金沢のメインストリート。
青空に街路樹が映える大通りを歩いていく。
観光客で通りはどこも賑わっていた。
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百万石通り沿いにある神社
前田利家を祀る
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加賀前田家の家紋
菅原道真にも由来するとか
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伝説の泉へ
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金沢の名の由来になったとされる場所
見に来る人は少なく、滾々と水が湧いていた
その昔山科の里に藤五郎という貧しいけれど正直な農夫が住んでいた。藤五郎が山から掘ってきた「芋」をここで洗うと沢山の砂金が出てきた。藤五郎はこれをひとりじめしないで貧しい人々に分け与え仲良く暮らした。
そこで「金」を洗う「沢」-「金沢」ができた。
https://kanazawa-jj.or.jp/about/entry-42.html
小説家の高田崇史さん曰く
(※間違えて高田崇文さんと書いてしまっていました)
芋とは鋳であり
この話は産鉄民伝説なのではないか、とのこと。
後日行く予定の白山比咩神社のある鶴来(つるぎ)
こちらも鉄に由来する地名だとかなんとか。
加賀という地名も、明るい・かがやくという意味が由来
と聞いたことがある。
金沢(金の沢)といい、豊かな土地なんだな、と一人で納得する。
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石川県政記念しいのき迎賓館にて
立派な建物で驚いた
ここまで壮大な建築物がある地方都市も珍しいのでは
桜舞う兼六園
金城霊澤から少し歩くと兼六園の入り口が見えてくる。
桜の開花に合わせて無料開放を行っていた。
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庭園の完全に計算された、自然な美しさが好きだ
兼六園もまた、人の手で設計・作庭をしたとは思えない
自然で長閑な風景が広がっていた
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ぼけっーっと歩いていたら、突然目の前に広い水面が
池というより霞ヶ浦だなと思った
高台にあるはずなのだが、どこから水を引いているのだろう
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さすが名庭園。
歩いていると野山をハイキングしている気分になる。
ちょっと前まで、高級ブランドが立ち並ぶ繁華街にいたとは思えない。
「これが加賀百万石かぁ…」
兼六園の出入り口はすごい賑わいだ。
屋台も出ていて、まるで縁日。
歩いているとピンクの桜越しに、白い城郭が見えた。
金沢城だ。
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「これが加賀百万石かぁ…」
金沢城の巨大さに、独り言を言ってしまった。
いままで訪れた城と比べても、規模が段違いに大きいのだ。
見上げる空が広く、建築物に威圧感がある。
城は軍事要塞だということを思い知らされる。強い。
金沢駅、しいのき迎賓館
この街の建築物は壮大なものが多い。
それだけ豊かな土地だという事なんだろう。今も昔も。
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これだけ天気が良くて、広い芝生もあるが
シートを広げて楽しむ花見客はほとんどいなかった。
大半が歩きながら桜を見ている。
それもそのはずだ。
外で飲食をするにはまだ寒いのだ。
花見という言葉も、北陸と太平洋側では
意味が違ってくるのかもしれない。
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風情のある街並み
一通り散策した後、ひがし茶屋街へ向かう。
金沢と言ったらココ、と評判の観光名所だ。
だんだんと日が傾き、暗くなり始めていた。
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金沢で一番好きな場所。
久保市乙剣宮神社の裏手の細い路地。
主計町茶屋街というらしい。
京都の花見小路に似た雰囲気を感じた。
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なんとなく祇園を思い出す
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夕方になり一層、冷たい風が吹いていた
日が暮れるにつれ、どんどん寒くなってくる。
ダウンジャケットを着てくればよかった…。
腹も減ってくる。
静かな茶屋街の雰囲気もあり、寂しくなってくる。
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外国人観光客もだいぶ戻ってきていた
金沢には他にもいくつか茶屋街があるが
観光地として充実しているのはこのあたりだろう
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なんか、どこかで見たことあるんだよなぁ…。
茶屋街を歩きながらそう思った。
高山だ。
川沿いの立地と言い、雰囲気と言い、あの街とそっくりだ。
さすがに規模で言ったら金沢の方が大きいけど。
金沢も上方文化の影響が強いのかなぁと思う。
ところどころ京都に雰囲気が似ているし。
高山も京都の文化に強く影響を受けた街だった。
灯油タンクの色はやはり青なんだろうか?
【灯油タンクの色】
関東の人間にとって灯油タンクと言えば赤いアレだが
関西では青色なのだという。
二つの色の分水嶺は、岐阜のあたりらしい。
というのを以前、高山に行ったとき地元の人に教えてもらった。
ちなみに高山では青色だそうで。
味噌汁が美味しい洋食屋
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ひがし茶屋街の一角にある洋食屋
1909 年開業
今回の旅の食事で一番美味しかった店
洋食屋だけど味噌汁が美味しい
有名な店だから並ぶかもな、と思ったが
運よく一人分、カウンター席が空いていた。
平日でも大人気な様子で、次々と人が入ってくる。
厨房では、年季の入った白服を着たコックさんと
エプロン姿の学生らしき若者が、せわしなく動いていた。
その様子を見て、学生時代の飲食バイトを思い出す。
夜桜に震える
自由軒を出ると、陽が落ちかかっていた。
沢山いた観光客もいなくなり、静か。
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兼六園の無料開放は夜までやっている、と聞いたので
夜桜を見に再度訪問。
昼間と変わらず大勢の人で賑わっていた。
じっくり桜を見て回りたかったのだが
いよいよ寒さに耐えられなくなってきた。
手がかじかんで痛くなる。
足早に兼六園・金沢城を回る。
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2020年に復元完成とのこと
歩いている人と比べれば、その大きさが分かる
ホテルに戻ったころにはボロボロになっていた。
スマホの歩数計を見ると30km近い数値。
どれだけ歩き回ってたんだ…。
次の日はとある温泉地に行く予定なので
シャワーを浴びて早めに寝る。
北陸の旅は始まったばかりだ。
次回
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