歩き出すとき

握りしめた掌から
零れ落ちる砂の数を数えるような
空しいばかりの時間を 過ごしていても

真昼の太陽よりも眩しく
夜空に輝く星の数を数えるような
彷徨うばかりの時間のなかにいても

心のどこかで 僕は信じている
夜の海を背に 歩き出すときがくることを
遥かに遠い 遠い未来に
君ともう一度逢えることを

だから もうしばらくは
溶けたまま動けなくてもいい
時間の流れに逆らう日々でも

サラサラになった手を
ふたたび握りしめて
星を映した涙をふいて
僕は 君に逢いにゆく

遠い未来に向かって 歩き出す

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