見出し画像

授業実践【数学IIIの放物線】

はじめに

数学IIIの「式と曲線」の「2次曲線」(放物線、楕円、双曲線)について、学習者視点からすれば覚えないといけないこと(準線とか焦点とか式の形とか…)がやたら多く、眠気を誘う授業になりがちです。

それを打破するために、懐中電灯を利用して放物線を見せたり、ヒモや棒を利用して生徒代表者に曲線を作図させたり、desmosで軌跡をスクリーン上に表示させたり…様々な工夫を施されている方も多いと思います。
↓参考画像↓

個人的には、すぐに曲線を見せてしまうのは単元導入時には相応しくないと思います。
放物線に関しては、中学生時・高校1年生時に輪郭を触れているだけに「放物線ってこういうものなんだ」って深く納得させるような導入としたいところ。

そこで、以下のような問題を設定し、授業を展開しました。

犬の水飲み問題

問題「平面上に水飲み場(点F)と、川(境界線をl)がある。喉が渇いた犬が平面上のどこかに居て、水飲み場か川のうち、近い方に水を飲みにいく」

と設定しました。要は犬が「水飲み場と川のどっちに行こうか…?」と悩む境界線が放物線となります。水飲み場が焦点、川の境界線が準線です。

この問題をベースとしてワークシートを構成し、事前課題→授業→事後課題について以下のように取り組みました。なおネタバレ禁止として、ワークシート上に「放物線」という単語を一切登場させず、教科書も一切見ないように指示しました。

事前課題

ワークシートを配布した際に、問題を説明し、(1)についてこちらでマス目を2〜3つ埋めてみました。後は次の授業に備えて、個々で完成させておくように指示。

次の授業開始時に、ワークシートを隣人と交換させて相互確認と意見交換をさせました。
マス目が粗いために生徒が塗った部分が一様ではありませんが、「放物線っぽいな」といった声も上がっていました。(当然…)

授業

事前課題の確認をしたらすぐ、(2)に取り組ませました。先程の問題に比べて抽象度が上がったものの、「放物線かな」と思いながらも、物差しで一応丁寧に描いている姿がありました。

ここまでが導入。

(3)で式の導出です。教科書では左右に開く「y^2=4px」から始まりますが、馴染みのある「y=ax^2」の形で。
この結果から「やっぱり放物線でしたね」と言えます。

ここからは、焦点・準線の用語の説明や、放物線・焦点・準線の式等をまとめる…といくと思いきや、もう少し寄り道しました。

事後課題

(4)について。ご存じだと思いますが、以下のような手順で放物線を作ることができます。
白紙の紙の中央下部に点をとる。紙の下端がその点と重なるように、何度も折っていく。折り目が放物線の接線群(包絡線)となる。(画像2枚目)
※楕円や双曲線も可能です。機会があれば、授業実践とともに紹介します。

「なぜこのような作業で放物線ができるか?」というものが(5)となり、これが事後課題になります。折り目が接線となることを意識すれば数式を用いて示せますが、中々難しかったようです。

さいごに

この日の授業は管理職が見学に来られていて、色々とアドバイスをいただきました。
やはり導入時のハードルを低いことを指摘され、単元導入時の授業の難しさを改めて実感しました。

もっと改善したいと思います…。

以上となります。見ていただいて、ありがとうございました。
♡を押してくれると、次の記事の作成意欲に繋がります。よろしくお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?