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”番外編コラボ 菊×ミモザ” 道頓堀の人魚【シロクマ文芸部】

(菊さんの音楽を聴きながらどうぞ!)


「海の日を道頓堀で泳いだの」
行きつけの飲み屋の看板娘 ”どん子ちゃん” が酔っぱらってそう言うので、同じく酔っぱらったボクは「なにそれ、俳句?季語は”海の日”」と突っ込んだ。
何しろボクのもう死んじゃったおばあちゃんが俳句が趣味だったので、ボクも俳句に詳しいのだ。575のものを見たり聞いたりするといつも「俳句?」と言うクセがある。
「ちゃうちゃう」
どん子ちゃんが首を振る。ダメだ、そんなに首を振ったら更に酔いが回る。なのに酔っ払いのボクは意味なく真似して同じように首を振る。
二人ともふらふらだ。
「どっちかっていうと日記?」
「日記?」
「うん。だからぁ~海の日にぃ~道頓堀を~泳いだのぉ~。
ほらあたしぃ~道頓堀で生まれ育った人魚だからぁ~」
ボクはどん子ちゃんの足元をみる。足がある。
「足はあるけどぉ~人魚だから!
道頓堀に落ちた王子様を助けたの。あたしの王子様♡」
そうだった。”海の日”にボクは酔って道頓堀に落ちて人魚に助けられた夢をみた。あれは夢じゃなかったのか。
「どん子ちゃん!」
ボクは彼女の手を握る。
「ありがとー。好き」
「じゃあ、一緒にたこやき食べよ?」
そして一緒に食べたたこ焼きの中からは、豆しばみたいな”豆たこ”が出てきて言った。
「ねえ知ってる?どん子ちゃんは人魚だったけど王子様助けたから今は人間になったって」

(了)

⦅あとがき⦆

「ボク」のイメージは「理生さん」で書きました!
理生さん、飲み過ぎに気を付けて~@@
私は道頓堀に行ったことないので全てイメージです。
「道頓堀の人魚」は菊さんが考えたタイトルです。
「豆たこ」も菊さんの考案です。
というわけで番外編コラボでした✨

*理生さん

*菊さん

*小牧幸助さんの企画に参加します



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