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歩行者bさんの詩を朗読しました2

歩行者bさんが、藤家秋さんの企画「炭酸刺繍」とシロクマ文芸部の「風鈴と」に参加された詩が今回もとても素敵で朗読したくなったので読ませていただきました✨
歩行者bさん、ありがとうございました🎐


風鈴とため息で織りなす我が刺繡から
ふつふつと湧き上がる淡き粒は捨てられしおもひ

さすれば風鈴の音(ね)は弔いの音
涼やかで清々しいその音は 清められし証

ため息に込められし失望はかの日
雨に洗われたのではなかったか
海に流れたのではなかったか

かつての炭酸のおもひ
幾度昇天したことだろう
何度弾けて散っただろう
やがて大気とまじりあい
おもひうすれ
もはやなんの色ももたぬ

地球はおもひを浄化する
激しき憐憫も 猛き失望も
ひとたび炭酸に放てば
それは黒き海の底に眠り
はるか成層圏をたゆたふ

掘り起こしてはならぬ
目覚めさせてはならぬ
決して笑ってはならぬ
混ぜるな危険

歩行者bさん・炭酸刺繍


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