読書感想文 死にがいを求めて生きてるの

植物状態の青年とその幼馴染について、関係性や植物状態になる経緯を二人に関わる人物の視点で書かれたお話。
螺旋プロジェクトの一冊で、螺旋プロジェクトは複数の作家が異なる年代で二つの種族の対立を描いている。

植物状態の青年に関わった人の話では、対立する二つの種族について書かれていて、幼馴染に関わった人の話では幼馴染がどういう人か見えてくる。読んでいくと幼馴染が青年と対立する種族にそれぞれ属していること、植物状態の青年が子供の頃から幼馴染にそれを気付かれないように争わないようにしていることが分かってくる。

幼馴染の人物像を想像しながら、タイトルの死に甲斐が腑に落ちてきた。生きることと死ぬことは近しいと思っていて、生きることの先に死ぬことがあるから生き甲斐と死に甲斐はあまり意味的には変わらないと思っていた。青年のことを好いている青年と同じ種族と思われる女の子が、他者との摩擦を起こすことでしか自分の居場所を確認できない、安心できない、ということを青年に言っていて、そこでこの話は、生き甲斐ではないな、死に甲斐と言うのが腑に落ちた。



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