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原田ひ香『ランチ酒 今日もまんぷく』祥伝社

「ランチ酒」シリーズの3冊め、これで最後みたい。真夜中の見守りを仕事にする祥子さんが、仕事が終わってやれやれと思いながら、街の食べ物屋でちょっとお酒も飲みながらランチを食べる。見守りの仕事と、祥子さん自身の人生の悩みと、すごく熱心な食べ物飲み物選びが面白い、気軽な読み物。前回では恋愛話になりそうな様子だったが、今回の最終回はなんとなく収まるところに収まりそうな予感で終わっている。

毎回感心するが、疲れる仕事のあとなのに、熱心に店を調べてメニューを熟読する祥子さん。食べ物の感想や食べ物とお酒の相性を熱心につぶやく。そして勤め人でランチタイムの店が混んできたところで、さっと切り上げて家に帰るのである。読むたびに、そんな飲み方もいいなぁと憧れるが、実際にはしたことがない。慣れてない女が真似すると、緊張感が背中にみなぎって不自然なことになってしまいそうだ。(でもやってみたい...。)

今回は広島に行く回がある。広島駅の中の食べ物屋もずいぶん変わっただろうな。祥子さんがお好み焼き屋でチーズ入りのお好み焼きを選んだときには、思わず、ああ、そういうんじゃなくて、まずはスタンダードな「そば肉玉」にしてほしいな!と心の中で叫んでしまったわたし。駅内にはビールの注ぎ方が何種類もある店などもできたらしい。泡がメインのビールもあって、泡の味をあじわうらしい。いろんな店が出来ているんだなぁ。コロナも収まってきそうだし、また外での食事を楽しめるようになりたいものだ。そのうちに広島に行くこともあるだろうか。

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