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引越しの日のこと

2月末に夫に四国への異動の辞令があり、家族みんなで話し合い、関西を離れ夫に帯同することを決めた。

長男は中学校入学、長女は新5年生、次男は幼稚園入園というタイミングで、バタバタの年度末、年度初めになった。

どうなることかと不安もあったけれど、子どもたちがせめて家では楽しく過ごせるように、わたしたちがしっかりどっしり構えていようと夫婦で励まし合って、ようやく新生活が落ち着きだしたこの頃。

新しい土地にきて、いつも思い出す光景がある。
引越し当日、長男のサッカー仲間や長女の学校のお友だちや社宅のお友だち、同じ社宅で仲良くしていたおかあさんたちが、お見送りをしてくれたときの光景だ。
同じ社宅に住んでいたけれど転勤していったわたしの友人も、タイミングよく社宅近くに行くからと連絡をくれて、立ち寄ってくれた。
変わらない友人のやさしい笑顔に、とても励まされた。
長男のサッカーを通して知り合ったおかあさんも、仕事終わりにお見送りに駆け付けてくれて、人のあたたかさが本当に心に沁みた。
朝のトラックへの荷積みが始まった時から、午後にタクシーに乗って社宅を出るまで、社宅内の公園で遊んでくれたお友だち。
長男のサッカー仲間のお友だちは、朝の8時から会いに来てくれた子もいた。
子どもたちが自分たちで築き上げてきた、あたたたかくてやさしくて楽しい世界を改めて見ることができたあの日。
この世界から離れても、わたしたちに着いていくと決断してくれた長男、長女に、心の底からありがとうと思うと同時に、ごめんねという気持ちもやっぱり強かった。
夫はタクシーの中で涙していた。
親の都合で、子どもたちを連れて行くことは、本当にいいのだろうか。
そんな気持ちがやはり拭えなかったのだろう。
けれど、連れて行くと決めたのだから、良かったと思えるようにするしかない。
それが、わたしたちの努めだ。

引越し当日のあの日、みんなが見せてくれた、暖かな光景を、わたしは一生忘れないだろう。

このGWは引越し後初めての関西への帰省となったけれど、長男も長女も、お友だちとの再会を楽しんだ。
離れていても繋がっていたい人とは繋がっていられるんだなと改めて感じた。

次はまた夏休みに会えると良いな。

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