車が空を飛ぶようになったら道路は必要なくなるか?
結論:
そうとも言える
あるいはそうで無いとも言える
前世紀からの人類の夢に、空飛ぶ車というのがある。
反重力のようなSF的なものから、単純にプロペラを搭載するものまで。
そしてそれらが、ようやく技術的に現実可能なレベルに近づいてきたんだと思う。
さて、仮に、だ。
十年とか経って技術が革新的に進化した結果、全ての車が自由に空を飛べる翼を手に入れたとしよう。
もちろん、自動運転の技術も超進化しているから、むしろ事故を起こす方が難しい状況とする。
大人から子供まで、誰でも空を自由に飛べるような時代になったとき、世の中はどう変わるだろうか。
一番最初に、必要なくなるのは地上の道路なのではないかと想像するだろう。
だが、こういうパッと思いつくものほど、案外考えてみるとそうでもない可能性が高い。
例えば、地下を走る鉄道の場合はどうだろうか。
これらは、自在に敷き詰められているようで、実は地上に道路がある場所にしか通すことが出来ない。
土地の権利は地表だけでなく、その地下にまで及ぶからだ。
今時の地下鉄はかなり深いところを走るから、列車が走った程度で地上に影響が出るとも思えないのだが、そういうルールなのだから仕方あるまい。
それに、自分の家の地下に、勝手に穴を掘られるというのは、気分が悪いというのも理解できる。
そしてこれが、空飛ぶ車の航路にも、同じことが言えるのではなかろうか。
誰も彼も、自分の家の真上を飛んで欲しくはない。
飛行機のように遙か上空ならばまだ許容できるが、それでさえも時に騒音やらの問題を起こしている。
結局のところ、何かしらの『車が通る道』は、必要になる可能性が、高い。
つまり道路は、地上を走るレトロ車が絶滅した後も、なんだかんだのこり続けるのだろう。
だがそれらの道を整備する理由は、地上を車が走っていた時期に比べて薄味なものとなる。
多少穴が空いたり欠けたりする程度なら、見栄え以外に影響しないということで、そのまま放置されるだろう。
都市部であれば、クリーンなイメージを維持するために整備も行われるだろうが、田舎道などは、AIが判断する道としては存在しても、人の目からは何も分からない状態に近づいていく。
土や落ち葉が重なって、もはや影も形もなくなっても、なぜか車はその上を飛んでいく。
なぜなら、自動運転のプログラムの関係で、道から外れた運転をすることは出来ないからだ。
歴史を知らない子供には、空を飛ぶ車達が一列になって渋滞している姿はどう映るのだろうか。
よろしくお願いします。