ADHDだとなぜ疲れやすいのか?
こんにちは、ADHD当事者のみもです。
今回は、ADHDの人はなぜ疲れやすいのか?というテーマでお話していきます。
(動画でご覧になりたい方はコチラ)
①頭の中が忙しい
ADHDには脳内多動という特性があります。
これは一度に複数のことを考えていたり、考え事が次から次へと浮かんできたりするというものです。
例えば「夜ご飯何にしようかな」
「ジャガイモがないからカレーはできないか」
「ジャガイモって買い物リストに書いておこう」
「他にも買うものなかったかな、冷蔵庫確認しよう」
「あ、これ消費期限切れてる!捨てなきゃ」
「冷蔵庫の奥にお菓子発見!おやつの時間にしよ〜」
「あれ、何を考えてたんだっけ??」
こんな風にADHDの人は思考が飛びやすく、考えていたことがどんどん最初とずれていってしまいます。
常に何かしら考え事をしていて脳が休まらないため、脳からの疲れを感じやすくなります。
②感覚過敏
ADHDの感覚過敏という特性には、強い光や音、匂いなどに人一倍反応しやすく、不快に感じる傾向があります。
作業をしたいのに周りの音が気になって集中できない、
照明の光が眩しくて気になる…など、
集中するのに余計な気力を使ってしまうことが、疲れの原因になります。
また、些細な刺激に気をとられやすいという傾向もあります。
例えばパソコンで作業をしてる時、ADHDの人はパソコンの画面だけに集中できず、
「手の爪が伸びてきたな」
「コップの飲み物そろそろなくなりそう」
「このコップ旅行先で買ったんだよなぁ、そういえばあの旅行で…」
と、目に入ったものすべてに反応してしまいます。
目から入ってくるものの情報過多になることや、なかなか作業が進まないことで、疲れを一層ためやすくなります。
③過集中
ADHDには過度に集中しすぎてしまう過集中という特性があります。
例えば絵を描くことに過集中になると、休憩や食事をするのを忘れて何時間も絵を描くことに熱中し、その間疲れをほとんど感じません。
しかし絵が完成した瞬間に、動けないほどの疲れがどっと襲ってきます。
好きなことを何時間でも続けられるのはADHDの強みとなる特性でもありますが、集中が切れた時の反動が激しく、強い疲れを感じる原因にもなります。
④人間関係で無理をしてしまう
ADHDの人は衝動性が強く、思ったことをすぐに発言してしまう傾向があります。
そのため失言をしてしまい人間関係が悪化したり、「空気が読めない人」と周りから避けられてしまったりと、人間関係で問題が抱えがちです。
中には「自分は余計なことを言いがちだから気をつけなきゃ」と必死に周りの空気を読もうとしたり、出来るだけ自分からしゃべらないように我慢している人もいます。
こういった人間関係のトラブルで起きる不安感や我慢は、強いストレスを生み出します。
ストレスがたまっている状態が長く続くと、何もやる気が出ない無気力状態になったり、動きたくても体が動かない状態になり、疲れが抜けないと感じるようになります。
⑤睡眠の質が悪い
ADHDの人は脳内多動の影響で、寝る前に様々な考え事をして頭が冴えてしまい、寝つきが悪くなりがちです。
特にストレスをためている時は、寝る前に自分のミスや将来の不安が頭から離れなくなり、なかなか眠れなかったり、眠れても眠りが浅く寝た気がしない、ということが起こります。
さらに感覚過敏が強い人は、少しの光や音が気になって寝つけないということも起こります。
ぐっすりと質の良い睡眠がとれないことは、日中疲れや身体の重さを感じる原因となります。
⑥頑張りすぎている
ADHDの人は、周りから浮かないように、ミスをしないようにと、常日頃から頑張りすぎている傾向にあります。
私も忘れ物がないように毎日何度もカバンの中を確認したり、
遅刻しないように待ち合わせ場所に30分以上前に到着するように計画したり、
「失敗しないように」「周りに迷惑かけないように」と常に気を張っているため、
無意識に疲れがたまっていることが多いです。
また、私は急に予定が変わることが苦手です。
実家暮らしだった時は、今日は家でゆっくり過ごそうと思っていた日に、家族に「買い物あるから今から付き合って」と突然言われて、よくプチパニックを起こしていました。
しかし「ちょっと買い物するくらいたいしたことじゃない」と自分に言い聞かせて、なんとか無理矢理周りに合わせて行動していました。
このように人から見たらなんでもないようなことにADHDの人は全力をかけて取り組んでいることが多く、それにぐったりと疲れてしまうことが多くあります。
疲れやすさへの改善策
ADHDの人がこの疲れやすさに付き合っていく中で、私が特に大切だと思うのは
『自分は疲れやすい』ということを自覚することです。
私は今まで、自分が疲れている、ということに気づいていませんでした。
なかなか動き出せずダラダラしてしまいがちな自分を、
“気合がたりないからだ”
“だらしがない”
と責めていました。
「そうか、ADHDだと疲れやすい傾向があるんだな」と知ったことで、無理をしすぎないようにして、自分を責めることなく「疲れたなら休もう」と思えるようになりました。
自分を責めるとストレスがたまり、疲れやすさを悪化させてしまいます。
自分を責めずに、今まで頑張ってきた自分をいたわる時間を作ってあげてください。
今回はADHDが疲れやすい理由について解説しました。参考になったなぁと思っていただければ嬉しく思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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