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映画「運び屋」に学ぶ、時間と学びについて

コロナ期間になり、いろんなアニメを漁る中さしぶりに映画でもみようかなーといろいろ見ていると昨年公開されたイーストウッド主演&監督の「運び屋(THE MALE)」がNETFLIXにあることに気付き鑑賞しました。これがまぁとてもいい映画で感動し、改めて映画っていいなーと感じさせられブログを書いています。

最近のイーストウッドの作品では「アメリカンスナイパー」「ハドソン川の奇跡」「15時17分、パリ行き」がありますが、全て実話をベースにしており、本作も実話をもとに映画化されています。

なんと言っても驚くべきは、一度俳優を止めると言ったイーストウッドが今作では主演として復活。今年で90歳になるのに、衰えを感じさせず作品を生み出し続ける姿勢、そしてイーストウッドならではの渋さに凄みを感じます。

本作は、ニューヨーク・タイムズに掲載された実在の運び屋レオシャープの記事を基にしたストーリー。2011年、アメリカの麻薬当局は大量のコカインの運び家を追い続け、ついに捕まえたのはなんと87歳の白人の老人。2年間に渡りメキシコ麻薬カルテルの運び屋を務め、1400ポンド以上、1億を超える大金を荒稼ぎしたという驚くべき事件だったのです。

映画では、イーストウッド演じる主人公が、家族よりも友達と仕事を優先して、常にみんなの人気者でありつづけますが、人生の終盤に家族と離れ失った時間に気付きます。それに気付き、家族に歩み寄ろうとするも、娘には無視され続け、行き所を失います。(ちなみに、主人公の娘役は、イーストウッドの実娘アリソンさんが演じているのもまた面白いです。)

そこで麻薬の運び屋の仕事を得て、お金をまた得ることで困っている友達を助け、持ち前の人柄で人生を楽しんでいきます。次第には、麻薬組織の仲間とも親密な関係になり、彼の人柄にみな引きつけられます。

自分のやりたいことをやり、彼の人柄の良さで友人を助ける姿勢には尊敬を感じます。しかし、そのお金は決して許される行いで得た物ではないのです。

映画の終盤、彼はまた家族と向き合うことになり、こう悟ります。

「時間が全てなんだ。何でも買えるのに時間だけは買えなかった。(it's just time, is all. I could buy anything, but I couldn't buy time)」

時間は買えないとはもちろんよく聞くことですが、「time is all」という主人公の言葉がこんなにもと思うほど、胸にささるのです。

本作のインタビューでイーストウッドは学ぶことについてこう語っています。

映画に流れるメインテーマは、学ぶことに年齢は関係ないということだ。年を取っても学べる。そうしながら、人に教えることもできる。私はいつも異なるタイプの物語に興味がある。西部劇でも、現代劇でも、どんな作品でも、私はずっと新しいもの、脳を刺激するものを探そうとしてきたし、この作品もそうだ。

90歳になっても、人生から学びを見出し、作品を作ることで人に伝えようとする彼の姿勢にとても心動かされたのでした。さしぶりにいい映画をみたなぁー。日々学びを見出す姿勢を忘れないでいたいものです。

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