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二日で一往復、思考のタグ

 時々こんな日がある。車で出勤して自転車で帰るパターンだ。寒波も少し和らいでくれた。亀川の事務所から、信号で止まるタイミングに出会うまで右側歩道を走る。歩道の凸凹や人、脇道から出て来る車をいなしながら、一日の仕事で身体に絡みついたガチャガチャを振り落として行く。別府市内を過ぎる頃には、ガチャガチャも大方落ちて身体も十分に暖まって来る。東別府を過ぎたら海側の歩道を走る。この前、山登りした時にベテラン達が、この山があの山が私のホームグランドだと山に対する感謝と愛情のこもった言い方をしていた。そうか皆、ホームグラウンドを持っているのか羨ましいなと思ったものの、もしかすると今、走っているこの道が私のホームグランドかな。そんなことを思ったりしてたら、約1.2キロの明野の坂に差し掛かる。今日は見たところ適当な競争相手も居ないので、マイペースで漕ぎあがってみた。まだ測ったことはないけど、自己ベストのタイムで登り着いた感じに自己満足、明野を下って途中、かみさんの白髪染めを購入、帰ったら白髪染めか。
 一夜明けて、今日は昨日よりもさらに暖かい。自宅から漕ぎ出す。高城駅前でふっと気になっていた「障害者自立生活センターばりflatおおいた」に寄ってみた。五反田さんが既に出勤して仕事をしていた。新年の挨拶と初めて来たことを告げて、写真を一枚撮って、再び通勤路に復帰したものの、子育てのことや綺麗な奥さんのことを聞き忘れたことに気が付く。別大国道の右手歩道を進むと、神崎あたりで防護柵にカモメが日向ぼっこをしている。カモメの日常を邪魔しない間合いで写真を一枚、もっと近づいて仲良くしたいけど、パンくずでも無ければ無理だろう。別府の市街地に入る。車が動いて人が動いて、コロナもどこかに潜んで、人の命はそっちのけで経済は回り続ける。私の自転車のペダルも回る。地球も回っているらしいけどこの歳になっても実感はない。知識だけが地球を回しているのか。そんなことを考えてたら銀行に着いた。必要な入出金を済ませて、亀川のセブンに寄ったら、間もなく閉店の表示があった。回る経済の軋轢がここにもやって来たのかな。
 こんなことを書きたかったのではなくて、自転車漕ぎながら浮かんでは消えて行く思考のタグを掴まえようとして書き始めたのに、肝心のタグは消えてしまっている。何が浮かんで来たのか、恐ろしく他愛ないことに違いないけど、次に浮かんで来たら自転車停めてメモでもするかな。しないしない。

2021年1月13日

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