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うみ散歩

 週末の老犬の散歩は私の担当だ。7月は足腰が弱ってしまって、外を歩き回る元気もなかったのに、8月に入って復活、玄関や裏庭への出入りは抱えないとダメだけど、平らなところは大丈夫、気を付けないと時々、溝やグレーチングの穴ぼこに足を取られてしまう。

 夕方はお散歩ラッシュで、若い女性が連れている元気な犬が吠え掛かって来る。歳を聞けば2才だと言う。こいつは来月で16歳と言うと若い女性が驚いてくれた。こいつも若い頃はいちいち吠え掛かっていたのに、今ではどんな犬が近づいてもほぼ無反応だ。視力と聴力の低下、そして気配を察知する能力の低下だろうか、もしかすると達観して何事にも動じない域に到達したのかも知れない。


 今日もこんな会話をしながら歩いて来た。「暑いな、足元はもっと暑いよな。大丈夫か。向こうから若いのが来たぞ。おー、いいウンコ出たな。ほらそこ穴ぼこがあるぞ。ほら、頑張ってもう少し。」と、特に何か返事をしてくれるでもないけれど、それでもしっかりと15年間一緒に過ごしたから通じるものがあるんだな。散歩に連れ出して貰ったのは私の方かもな。そうなのか、うみちゃん。20230827

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