フローライト第三話
「咲坂って進学?」と夏目に聞かれる。
「まあ・・・」と答える。
もう高校も最後の後半戦、大抵は大学に進学する生徒が多かったが、専門学校や一部就職するものもいた。
あの好きなバンドのライブの帰り道に夏目から「つきあってほしい」と言われてから二か月が経った。夏休みも終わり、受験が近づいていた今日は土曜日で、二人で街中をぶらついて買い物をしたりしていた。そしてお昼だからとマックに入ったところだった。
明希は専門学校に行く予定だった。というのも、父が勧めてきたのだ。父はIT系の会社に勤めていて、兄の颯斗も来年IT系に就職する。明希にも手に技術をつけておけば将来困らないよと勧めて来たのだ。「それにIT系だと、出勤しなくてもできるところもあるし・・・」と父に言われ、それは魅力だなとそんな単純な理由で決めたのだ。
「夏目は?」と聞くと「俺は専門なんだけどさ・・・」と何だか言葉を濁す。
「何の?」
「・・・看護学校」
「えっ?看護師になるの?」
「まあ・・・ほんとは俺は音楽系に行きたいんだけどね」
「じゃあ、何で看護学校?」
「親がうるさい。実は俺の母親看護師なのよ」
「そうなんだ。でもうちも同じ。父親がIT系で、私にも行けって」
「ハハ・・・そうなんだ。咲坂はいいの?それで」
「んー何かプログラマーとかは家で仕事してる人もいるっていうから、何か魅力だなって」
「ハハ・・・何で?家でやりたいの?」
「ん、一人でなるべくひっそりと暮らしたい」
「何で?ひっそり?」
「人とつきあうのが苦手で・・・」
「そうなの?俺とはつきあってるじゃん」
「まあ・・・そうだけど・・・」と言ったら夏目が少し笑った。
「ま、俺もそんな人付き合い得意じゃないよ」
「えっ?嘘ばっかり。それはないでしょ?」
「そう見える?」
「うん」
「じゃあ、そうなのかな」と夏目が笑顔になった。その笑顔に明希も笑顔になったが、次の夏目の言葉に凍り付いた。
「今日さ、俺んち来ない?」
(え・・・・)と身が硬くなる。
「何で?」
「え?何となく。やだ?」
「やじゃないけど・・・」
いつものように曖昧な返事しかできずに夏目の家についてしまった。
夏目のうちは古い一軒家で玄関には靴がたくさんあった。
「あっ、弟の友達来てるかも」と玄関の靴を見て夏目が少し悪そうに言った。けれど明希はたくさん人がいるので逆にホッとした。
俺の部屋二階だからと案内される。結構年季が入った壁・・・二階に上がった奥の部屋が夏目の部屋だという。
「ちょっと待ってて。何か飲み物持ってくるから」と部屋に一人置かれた。
夏目の部屋を見回してみると机が二つある。何で二つ?と思ったけれど、もしかしたらきょうだいで一つの部屋なのかもしれない。
二階に上がってくる階段がギシギシと響く。間もなく夏目がコップとペットボトルのお茶を持ってきた。
「ごめん、お茶しかなかった」と夏目がまたすまなそうに言っている。
「あ、全然。いいのに。気にしないで」と明希は言った。
「俺、きょうだい多くてさ。と言っても上二人はもうここにいないんだけどね」
「そうなんだ」
「咲坂は?きょうだい」
「お兄ちゃんがひとり」
「そう。一緒に住んでる?」
「んー今はね。でも来年はいなくなるみたい」
「そうなんだ。何で?」
「もう就職だから一人で暮らしたいみたい」
「そっか、そうだよな。俺も一人で暮らしたいよ」
「そうなの?」
「ん、きょうだいの面倒みたりしてきたからさ、もうそろそろ解放されたい」
「そうなんだ。面倒みてたって偉いね」
「そう?そんなことないけど」
「うん、偉いよ」
そう言ったら夏目が笑顔をつくった。けれどその後夏目が急に立ち上がったので明希はあからさまに身体をビクっとさせてしまった。
(あーヤバい・・・気づかれたかも・・・)
立ち上がった夏目が明希の隣に立ったので、無意識に離れて壁によってしまった。今度はさすがに夏目が気づいて明希を見た。
「何?何か恐がってる?」と夏目が笑った。
「ううん・・・その・・・」
そう言ったら夏目が急に明希の前に座ったので、今度は本格的に後ろに後ずさろうとしたけれど、後ろが壁なので完全に壁にへばりつく感じになってしまった。
「ちょっと何?」と言われる。
「えーと・・・」
まさか強姦されてトラウマだとは言えない。
「俺に何かされると思ってる?」
「いや、そんなこと・・・」
あるけど・・・。と心で付け足す。
「咲坂ってさ、モテてたでしょ?」
「え?まさかそんなことないよ」
「いや、だって高二ん時から咲坂のこと意識してる男子結構いたでしょ?」
「あー・・・それは逆の意味で・・・」
「逆?」
「そう。いい意味じゃなくていじめの方」
「ハハ・・・違うって。咲坂、渡辺とつきあってたんでしょ?」
(あー・・・そう。全部そいつのせい・・・)
「付き合ってたというか・・・あれは・・・一種のいじめ・・・」
「いじめ?」
「そう」
「どんないじめ?まさか暴力とかじゃないでしょ?」
「暴力みたいなもんだよ」
そう言ったら夏目が考える風な顔をした。それからまたこっちを向いたのでまた怖くて壁にへばりついた。
「まさか無理矢理なんかされた?」
(え?)と思う。夏目は勘がいいらしい。
「えーと・・・」と答えを考えていると、「だから今そんな怖がってるんだ」と一人夏目が納得し始めた。
すると夏目が立ち上がって明希からだいぶ離れて座った。
「これくらい離れてたら怖くないでしょ?」という。
「まあ・・・」
「何?あいつ、そんなことしたの?」
「まあ・・・」
「ヤバいな、あいつ」とまた考える風な顔の夏目。
でも、離れてくれてホッとする。夏目のことが嫌なわけじゃなかったけれど、どうも身体が勝手に反応するのだ。
「ごめん、ちょっとそっち行くね」と気を使いながら明希のそばの机の上にあるパソコンを取ってから夏目がまた部屋の隅に戻った。
「これ、新曲聴いた?」と明希の好きなバンドのユーチューブを夏目がパソコンでつけて、明希の座っている方に向けた。
「うん、聴いたよ」
「そうだよな。明希は聴いてるよな」と言われて(ん?明希?)と呼び捨てにされたのでちょっと驚いた。そんな明希に気が付いた夏目が言う。
「明希って呼んでもいい?」
「いいけど・・・」
だけどちょっと恥ずかしいかも・・・。
「俺のこと翔太って呼んで」
「えっ?」
それはもっと恥ずかしい・・・。
その時部屋のドアがコンコンと叩かれたと思うといきなり開いた。中学生くらいの女の子が顔を出してちょうど明希と目が合った。夏目はドアの方を背にして座っていたので首だけ動かして後ろを振り向いた。
「あー!」と女の子が大声を出したかと思うとまた階段の方に戻って行きながら「母ちゃん!翔兄が彼女連れ込んでる」と聞こえてきた。
「は?」と夏目が開けられたままのドアから階段の方を見てからドアを閉めた。
「ごめん、一番強烈な妹なんだ」とバツが悪そうな表情の夏目を見て、明希は急に可笑しくなって笑ってしまった。
「何?そんなに可笑しい?」
笑いが止まらなくなってしまった明希を見て夏目が言う。
「俺は全然可笑しくないんだけど」と言うので、余計に可笑しくなって笑ってしまった。こんなに笑ったのっていつ振りだろう・・・。
するとまた階段の音がギシギシと聞こえたかと思うとコンコンとまたノックされてドアが開いた。今度は小学生くらいの男の子が顔を出した。明希と目が合って「あっ!ほんとだ!」とその子が言う。
「いやーお前ら何よ?来るなよ」と夏目が立ち上がってその男の子に言っている。するとその男の子が階段の方に戻って降りて行きながら「栞奈!いたけど何もしてなかったよ!」と言っているのが聞こえた。
「やーあいつら何よ」と夏目が腹を立てているのを見て、せっかく止まった笑いがまた復活してしまった。
「もう、面白い妹さんと弟さんだね」と笑った。
「ま、面白かないけどね」と夏目も笑っていた。
涙が出るほど笑ってしまったので目尻の涙を小指で拭っていると、夏目がさっき置いたパソコンの前まできてパソコンを切って閉じた。それからこっちを振り向いて言った。
「少し大丈夫になった?」
(あ・・・)と思う。さっきまで緊張で夏目が少しでも動くと身体が緊張でこわばっていたのに、すっかりリラックスしてしまった。
「うん・・・ま」と恥ずかしさで頬が熱くなった。
顔を上げたらいきなりキスをされた。びっくりしていると「良かった。ずっとできないのかと思った」と照れくさそうに夏目が笑顔になった。
それから階下の夏目の母親に挨拶をしてから夏目の家を出た。夏目の妹と弟が興味深々と言った表情で玄関まで見送りに出て来たので、また可笑しくなったけれど笑いはこらえた。
帰りは駅まで夏目が送ってくれた。
「じゃあ、またな。明希」と夏目が改札口の前で手を振った。
「うん」と手を振り返す。
その日を境に明希は夏目と打ち解けて話せるようになった。
明希は高校を卒業して専門学生になった。情報系の専門学校へは自宅から通える範囲だったので自宅から通学した。ほんとは音楽系に行きたいと行っていた翔太だったが、結局親の言うことを聞いて看護学校に行った。
「明希さ、ゴールデンウィークは休みだろ?」と翔太が言う。
ゴールデンウィークが近づく四月、翔太は明希の家に来ていた。
「まあ・・・」
「まあ?」
「えーと・・・休み」
「・・・どっか行こ」
「どこに?」
「どこでも。泊りがけで」
「えっ?」
「いいでしょ?」
翔太と付き合ってから半年が経っていた。けれどまだキスまでしかしていない。明希はやっぱりまだ高二の強姦まがいの初体験が尾を引いていたし、キスだけで満足していたので最近はそういったことはあまり考えていなかった。
「でも・・・」
「まだトラウマ?」
「いや・・・違うけど・・・」
違うけどまだ少しある・・・。
「じゃあ、行こうよ」
「・・・お金ない」
「あー・・・俺少しあるから」
翔太は最近アルバイトを始めていた。
「でも悪いから・・・」
「悪くないって」
「だって・・・」
「明希?俺のことやなの?」
「ううん、やじゃない。もちろん」とちょっと焦った。
「じゃあ、いいよね?俺も一応男だし・・・半年って結構待ったよね?」
「そう・・・?」
「・・・明希はどうなの?やっぱトラウマ解消できてない?もしほんとに無理ならいいけど・・・」
「・・・・・・」
正直トラウマはまだ残っていたけど、これ以上翔太を断り続けると翔太が離れて行きそうで怖かった。この半年で明希は翔太のことがかなり好きになっていたのである。
(ああ、どうしよう、どうしよう、どうしよう・・・)
夜一人で部屋で悶絶した。
── 明希?俺のことやなの?
嫌じゃない・・・。だけど、本当にトラウマというのは厄介だ。心では違うのに、勝手に身体が反応するのだから。
ふと思いついてスマホを開いて自分がこっそりアップしているユーチューブを見た。実は少し前にまた更新したのだ。好きなバンドの曲をまたカバーした。音源はカラオケだし、そこまで綺麗な音質じゃなかったけれど、最近では色々工夫してそこそこ良くはなっていた。
(あ・・・)
コメントが入っていた。
<すごく優しい気持ちになりました>
(えー・・・ほんと?)
物凄く嬉しくなった。その人のアカウントをクリックしたら男の人のようだった。その人も歌を歌っているみたいだったがどうやら自作の曲みたいだ。
アカウント内に入ってその人の動画を見てみた。ボーカロイドみたいだったが、半分はその人自身も歌っていた。
(あれ?)
最新作はその人の姿も後姿や横顔が映っていた。
(あれ?)
もう一度動画を始めから映してみた。
(え・・・)
何か利成に似ている・・・。もちろん、利成と別れたのは小学六年の時だ。それ以来ただの一度も会っていない。だから他人の空似ということも十分あり得る。
声は当然声変わりもしてるだろうから、その当時の利成とは違うだろうし、そもそもそんなに声もおぼえていなかった。
(でも・・・)と気になる。その人のツイッターのリンクが張ってあったので飛んでみた。
<個展を開くことになりました>とあった。
(個展?)
その人の描いた絵らしきものが何枚かツイッターにはってあった。
<五月五日 ○○〇>で個展を開くとあった。ツイッターに貼られている絵はもちろんすごく上手かった。フォロワーの数もすごかった。
個展の場所はそんなに遠くはなかった。
(いってみようかな・・・)
利成だったらいいな・・・と思った。そして「あっ」と思い出して利成から貰った色鉛筆を机の引き出しから取り出した。あれ以来ずっとしまわれてあったものだ。当日これ持って行こうかな・・・もし万が一利成だったとしても、自分のことを忘れているかもしれない。その時、これ見せたら思い出してくれるかな・・・。
ゴールデンウィーク、ついにこの日が来てしまった。翔太と旅行に行く日だ。父親にはもちろん友達とと言ってある。ただ、翔太の存在は知っているので疑っているかもしれないけれど。
当日は青空が広がっていた。ただ予報では明日から雨だった。翔太が何故か「遊園地に行こう」と言い出した。電車で二時間乗り換えも途中あるが、最近出来たテーマパークがあった。そこのジェットコースターが人気らしい。
「えー・・・」と最初明希は渋った。ジェットコースターなんて苦手だったからだ。
「大丈夫だって。どうしても無理なら俺一人で乗るし」と言う翔太に無理矢理承諾させられた。ホテルはその近くに取ったという。「海が見えるから」と翔太は楽し気だ。
(大丈夫かな・・・)
ジェットコースターも夜も不安がいっぱいだ。
電車を乗り継いでなんやかんやで三時間近くかかってそのテーマパークに到着した。もうそれだけで明希は疲れ気味だったが翔太はものすごく元気だ。
結局断っても無理矢理ジェットコースターに乗せられた。降りてからもしばらく具合が悪くて動けなくなった。でも翔太はぴんぴんしていた。何でそんなに元気なの?
「大丈夫?」
夕食のためにホテルにあるレストランに入ってジュースを飲んでいると翔太に言われた。
「大丈夫」
「そんなに苦手だった?」
「うん・・・」
「ごめんごめん、そこまでって思わなくて」
「いいよ、大丈夫」
ジェットコースターより明希にはこれからの夜の方が非常に問題だった。
部屋はツインで二つベッドが並んでいた。窓からは確かに海が見えたけれど夜は見えなくなる。ただビルやすぐそばに見える高速道路を走る車のヘッドライトが綺麗に見えた。
「シャワー先にはいる?」と翔太が聞いてきた。
「うん・・・」
(ああ、どうしよう・・・)
シャワーを浴びながら気が気じゃなかった。どうかちゃんとできますように・・・。
翔太がシャワーを使っている間、だんだん怖くなってきた。嫌なわけじゃなくて、今度は失敗したらどうしようと怖いのだ。
明希にとって、やっぱり男性はいつもどこか怖い存在だった。それは翔太に対しても同じように思ってしまっている。それが心配だった。
翔太がシャワーから出てきてここに来る前に買ってきた飲み物を冷蔵庫から出していた。
「明希もビール飲む?」
「いや、要らない」
「じゃあ、お茶?」
「ん・・・お茶もいい」
「そう?」
緊張してお茶も喉を通らない気がした。
翔太とテレビを見ながらバンドの話や、最近の好きな音楽の話をした。その時はすごく楽しくて気持ちもリラックスできた。
「じゃあ、寝よ」と時計をチラッと見てから言う翔太がベッドの布団をめくっている。
「私、トイレ」ととりあえずトイレに入って深呼吸した。
(どうか変なトラウマが発動しませんように・・・)
トイレから出ると翔太がベッドに寝そべってスマホを見ていた。明希に気がついてスマホをベッドのサイドボードに置いている。
「いいよ、おいでよ」と布団を翔太が布団をめくっている。
「う、うん・・・」
ベッドに入って横になった途端、いきなり濃厚に口づけられた。
(ヤバイ・・・かも?)
すでに恐怖心が上がって来ていた。翔太が濃厚に口づけながら手で胸を触ってきた。その途端緊張で足が勝手に強張った。
(ああ、どうしよう・・・)
翔太の手が明希のTシャツをめくりあげてくる。ブラジャーはしていなかったのでそのまま直に触られる。
翔太がどんどん盛り上がってきて、その手がパジャマのズボンの中に入って来た時、完全に恐怖でいっぱいになってしまった。
「ダ、ダメ」とその手を押さえた。
翔太の手が止まって明希の顔を見つめてきた。
「大丈夫じゃないの?」
「だ、大丈夫・・・」
何とかそう言うと、翔太がパジャマのズボンを下ろしてきた。
「ダ、ダメ」とまたズボンを押さえた。
「・・・どっちよ?」
「い、いい。やっぱり。大丈夫」
「・・・・・・」
翔太に下着とパジャマのズボンを下ろされた。もう完全にピンチ・・・。
高二の時、付き合おうと言ってきた男子に部屋に呼ばれて無理矢理やられた日のことがフラッシュバックした。あの日、声が出そうになったら無理矢理枕を押し付けられた。手も足も押さえられて無理矢理入れられた。その後はもうあまり覚えていない。気がついたらその男子がティッシュペーパーを手にしていて、明希の股間からは血が出ていた。
(怖い・・・)
「ヤダ!怖い!」と叫んだ。
翔太の手が止まった。
「怖い・・・ヤダ・・・」と言いながら涙が溢れだした。
翔太が好きでそうしたいのに恐怖心ばかり上がってくる。動きを止めた翔太が顔を手で隠している明希の手をよけた。
「明希・・・やっぱり無理そう?」
「ご、ごめん・・・翔太・・・」としゃくりあげた。
そう言ったら翔太が額に口づけてから明希の下着とパジャマのズボンを上げてめくれあがったTシャツを直してくれた。
「わかったから泣かないで」
腕枕をして翔太がそう言ったのでその胸にすがって泣いた。
「あーだけど、あいつ、今からでもぶっ飛ばしに行くか」
翔太が本気な声で言っていた。それを聞いたら余計に泣けてくる。
「うっ・・・」と嗚咽が漏れた。
「明希、いいから泣かないで」
「き、嫌わない?」
「嫌わないって、大丈夫」
翔太が髪を撫でてきた。明希はグズグズと涙が止まらなかった。わざわざ翔太が準備してくれたのにと思うと悲しかった。
「もうちょっとゆっくりやろう。いきなりだったからダメなんだよ。ごめんね」と翔太が言った。
「翔太は悪くないから・・・ごめんね」
「ん・・・大丈夫だから」
結局初めての翔太との旅行は散々なことになってしまった。
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