見出し画像

米津玄師の「空想」での出来事

5月7日と8日の日本ガイシホールでの米津玄師のライブに行った記録です。ライブそのものの内容については書いてませんのであしからず。

私がライブに参加する日は8日の月曜日だったが、前日の日にライブのグッズを買いに行ってみた。
その日の天気予報は雨。午前中はまだ降ってはいなかったが、午後からは結構な雨が降り出していた。

傘をさしてライブ会場前に赴く。私の前を歩く家族連れの中に70代以上と思われる女性が傘をさして歩いていた。米津のファンは、年齢的に上は80代もいると聞いていたが、本当なんだなと思いつつその家族の後ろから会場敷地内に入った。

青いテープで仕切られた中に、何だかわけもわからず入っていく。すぐ横に米津のキャラクターのガチャを回すコーナーがあり、どうやら現金ではまわせないらしく、あらかじめ「コイン」に変えて下さいとスタッフの方が叫んでいた。

ガチャのコーナーはそこまで混んではなく、並べばすぐにガチャを回せそうだったので、現金をコインに変えて並んでみることにした。
1人一回につき6回まで回せるというガチャ。それを思い切って12回分コインを購入した。金額にして7200円。それは私史上ガチャにかける最高最大の金額だ。(だったのだが、次のライブ本番の日、更に6回追加したので、すぐにその金額は更新された)

すぐに順番が来て、さあガチャを回そうとしたが、コインを入れる場所がわからない。カプセルが出てくるところには、必ずフタをしめてから回して下さいと注意書きはあるものの、肝心要のガチャの回し方の説明がない。

試しに適当にそれらしきところに入れてみるが、そこにコインが挟まりそうになったので慌てて取った。スタッフの方を呼ぼうとも思ったが、少し離れたところにいるのと、何となく気恥ずかしくて呼ぶに呼べず。

それとなく横目でお隣のガチャを回している人を見ると、なるほど挟めるところは間違っていなかったのだが、コインを入れられるようにガチャの回すところを動かして調整しなければならないようだ。

ようやくガチャを回して米津のグッズをゲットする。大きめのカプセルは、回す度に持っていた鞄に突っ込んだのだが、何せ12個もあるので、このままでは鞄から溢れて落としそうだ。そこでいつも鞄に入れていたスーパーの袋が役に立った。

並んでいる間にガチャのテント屋根から流れ落ちていた、大粒の雨に濡れた背中を気にしながら、「出口」と書かれた方に歩いて行く。
ライブグッズ売り場はすぐ右手に見えているのだが、多くの人が並んでいて、最後尾が見つからない。敷地内の青いテープは、案内役にはなっておらず、ふと見るとガイシホールの2階に行けるようになっている歩道橋上から階段を降りてくる人がそのままグッズ売り場の方に入っていくのが見えた。上の方を見ると何と歩道橋の上にはびっちりと人が並んでいた。

少し先にあった歩道橋上に行ける階段を上ると、グッズ方面に向かって並んでいる人と、全く反対方面に向かって並んでいる行列があった。
1つは写真撮影をするための列で、もう一つはグッズを買うための列らしい。その列を辿っていくと、いつまでたっても最後尾に辿りつかない。
(普通、こういうのって最後尾と書いた札を持っている人がいるはず・・・)と見渡したところ、スタッフの方が「グッズを買う方はこちら」と叫んでいるのが見えて、ようやく並ぶ場所がわかる。

私はそこで唖然として本気でくじけそうになった。彼のライブに行きなれている人なら気にしないのだろうが、かなりな長蛇の列だ。
ただ次の日参加するライブの日は、なるべくぎりぎりに行きたい。それなのでそのまま並ぶことにした。

しばらく並ぶかと思っていたが、思ったよりは早くグッズを買う順番が回って来た。並ぶ間は一列でも、実際にグッズを買うための列は多分10列くらいはあっただろうか?そのうちの1つに並ぶ。

順番が回って来ると、購入したいグッズを調子よくスタッフの方に伝えた。
「40400円になります」と言われ、スタッフの方が奥の方に行ってグッズをそろえ始めた頃、ちょうど隣の男性と対応しているスタッフの方の声が耳に入って来た。

私はクレジットカードでグッズを購入しようとしていたのだが、どうやらアプリに登録したクレジットカードじゃないと使えない様子。購入するグッズを揃えて来てくれたスタッフの女の子が1つ1つ確認してくれた後に、「クレジットカードは使えないのですか?」と聞いてみた。

するとやっぱり「アプリに登録してないと使えない」との返事。そこで一瞬の間に色々と考えが脳裏を駆け巡る。
購入するグッズを減らそうか?現金・・・と思ったが、財布の中身は全く足りてない。
「現金持ってない」とつぶやくように言うと、スタッフの女の子が、「今、登録してくれても使えますよ」と言ってくれた。

それならばとアイフォンを取り出したら、そのスタッフの女の子が手持ちのスマホの画面をこちらに見せて「これを入れて下さい」と何やら猫のアイコンを指さしている。
(これ?)とそのアイコンを見たら、それは「リイシュー猫」のアイコン。
「これとは?」と口に出したかどうだか定かではないが、そのスタッフの女の子は再び「これ」とスマホの画面を見せてくる。私はそこで何と検索したら良いのか困り果てていると、今度はそのスタッフの女の子が「「米津玄師」と検索して下さい」と言う。

(いや、それでは出て来ないだろう)と、日頃「米津玄師」と入れて検索している私は思う。それで「アプリ」と急に思いついて「米津玄師アプリ」と検索したらトップに出てきた。

そうしてようやくアプリにクレジットカードを登録し終わると、今度は購入するグッズを1つ1つカートに入れろと言う。
その間ちらっと後ろを見ると、順番を待つ若い女の子が、どこか戸惑うような憮然とした様子でこちらを見ていた。
申し訳ないのだがここまできたらしょうがない。後ろの方には待ってもらうしかない。

何だかドタバタ劇のようになったが、無事米津玄師のライブグッズを購入し終り、空いていたCD売り場を見つつ、(いや、CDは明日(ライブ当日)に購入しよう)と、ひとまずその日は帰路に着いた。

余談だが後から購入したガチャのカプセルを開けるのに非常に苦労した。かなりフタが固いのだ。いや、こういうのってコツがあるはずと色々やってみたが、どうやらこれはコツもあるが力も必要だとわかる。
それならばとドライヤーで温めてみたりしながらようやく開けた。
ほとんど揃っていたのだが、1つのキャラだけ足りない。それが結局上記に書いた「ガチャの更新」に繋がった。

次の日、開場の16時半に間に合うように家を出た。今度はすぐに会場に入るための最後尾の札を見つけて並ぶことができた。
並んでいるファンたちはやっぱり若い子が目立つ。米津のグッズを身に着けている人も多かった。
開場してからは、スムーズに列は進みすんなり会場の中に入れる。まずは座席を確認しようと座席表みたいなものを見てみたが、さっぱりわからず。
立っているスタッフの方に聞いてみたら「この席は2階です。こっちじゃないです」と言われる。
「こっち」とは、1階のアリーナ席のことなのだが、どことなくその言い方に、アリーナ席はVIPなような雰囲気を感じた。

もう目指す座席がわからない時は聞くのが早いと、中に入ってからは「撮影禁止」の看板を持っている男性のスタッフの方に、座席番号が書いてある紙を見せて聞いた。
私はこういった案内の人にあまりいい思いをしたためしがないのだが、このスタッフの方は親切に教えてくれた。
(ライブが始まる前だが、堂々とスマホで会場を撮影していたファンがいたのだが、その人にもこの彼は穏やかに「削除お願いします」と対応していた)

心配していたトイレだが、男子トイレも女性用にして対応してくれていたので、意外にも混雑が少なかった。
ライブの終わった後も、会場から出るのに混雑するだろうと思っていたのだが、順番に表に出ることができ割とスムーズだ。物販は帰りもやっており、遅くに来たファンや、買い足したいものがあるファンに対応している。

今回米津のライブで感じたのは、いわゆる「アイドル」と呼ばれる人のファンたちより大人しい印象を受けた。
それは米津がライブで、うちわやペンライトのようなものを禁止しているというのもあるかもしれない。
「lemon」から5年。デビューして10年以上の米津だが、彼のファンたちもまた同じように年を重ねている。
ファンからの「愛してるよ」「大好きだよ」の声かけに答える米津だが、今回の顔出しでの初めてのライブに、何を思い何を感じているのだろう。

ファンにとっては、そのライブがその都度米津との一期一会かもしれない。けれど彼にとっては、ある意味何度も同じことの繰り返しになる。

誰だ誰だ頭の中 呼びかける声は
あれが欲しいこれが欲しいと歌っている

「KICK BACK」歌詞より

前回「見え隠れする米津」と書いた。米津のライブへの思いと、ファンたちの思いが繋がることを願いたい。









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?