【vol.7-5 2023年度号】森周三監督(高知県立大方高校女子サッカー部)インタビュー ~新しい時代の高校女子サッカー部のカタチ!~
11月中旬に開催された、love.fútbol JapanさんのZoomイベントで、高知県立大方高校女子サッカー部監督(セレッソ大阪スポーツクラブ派遣)の森周三監督と初対面したことをきっかけに、ほとばしる女子サッカー愛を思う存分語ってもらうべく、今回のインタビューが実現しました。
2023年11月29日(水)夜、Zoomインタビューを実施しました。高校女子サッカーを対象とする記事を書くのは初めてだなー、などと思いながらインタビューを準備していましたが、終わってみたら、そのような狭いテーマ枠の中には全く収まりきらない、とっても素敵なインタビューとなりました。
新しい時代の部活動、高校女子サッカーの在り方や魅力、森周三さんの広い視野からサッカーを捉える考え方、女子サッカーに対する熱い想いを、是非、多くの読者の皆さんに知って頂きたい!!そう心から思えるインタビューとなりました。
(40分程度の予定が、延長戦になるほど盛り上がってしまいました!)
⚽森周三監督 プロフィール
1.女子サッカー選手のセカンドキャリアについて
耳すま:今日はお忙しい中、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
森監督:よろしくお願いいたします。
耳すま:今日のインタビューは大きく3つのテーマで準備しました。1つは、プレーヤー目線。2つ目は、指導者目線。3つ目は、女子サッカー選手のセカンドキャリアについてお聴きしたいと考えたのですが・・・。
森監督:セカンドキャリアから行きましょうか!
耳すま:ありがとうございます。ではさっそく!女子サッカー選手といっても、サッカーを長く続けていく人もいれば、サッカーとは別の道に進む人もいると思うのですが・・・、「サッカー選手として生きていく、アスリートを育てる」時に森さんが意識していることはありますか?
森監督:まずは、「アスリートとして認める」ということですかね。そして、「本人がどうしたいか」ということを、何より大切にしています。
ただ、女子サッカーチームを渡り歩いてきて感じてきたのは、背負いすぎている選手が多すぎるんじゃないか、ってことですかね。
岡山湯郷ベルに来て、最初にした選手への問いが、「みんなはサッカー楽しいの?」っていうことでしたね。「やりたければ一緒にやろうよ」が本来のアマチュアスポーツの基本だと思います。「スポーツ」という言葉の語源「解き放つ」、アマチュアはやはりそこが大事。プロはビジネス的なところ・マネジメント的なところもあるけど、アスリートとして育てるっていうよりも、「選手たちが将来的にどうしたいの?」ということをまず何よりも大切にしています。プレーヤ―として続けたい、とか、将来家庭をもって、とかも含めて、ちゃんとサポートしたりアドバイスしたりできる知識や経験はもってないと、と思っています。
耳すま:サッカー技術っていうところだけでなく、人生に寄り添う要素もあるっていうことですね。
森監督:私は、ヴィアティン三重レディースに在籍していた時、「正社員」というところにこだわりました。全員は難しいんですけど。つまり、選手たちの「社会保障」を何より大切にしました。例えば、妊娠して、サッカーを辞める、となった時って、「おめでとう」じゃないですか。これって、ひとつの通過点であって、本来子どもを産む、育てる時に、一般的には社会保険がでるじゃないですか。そういうときに、女子サッカー選手も社会保障で応援する仕組みがあることが大事だと考えました。
うちはサッカーが一番じゃないからね、まず「職場」、次に「サッカー」だよ、と。職場があるからサッカーがある、という、趣味の域を超えないようにしよう、という風にしました。そんなチームがあってもいいな、と。
耳すま:・・・といっても、(ヴィアティン三重レディースは)なでしこ2部ですもんね。
森監督:はい、います。
耳すま:そういう(社会保障制度の)安心感の土台があるからこそ、強い、ということもあるかもしれないですよね。そこがグラグラな状態だと、続かないですもんね。
森監督:職場で人が足りてない時に、「私はサッカーがあるから残業できません」と言う人に、職場の人は応援してくれます?女子サッカーっていろんなものを巻き込まないといけない時期なのに、「私はサッカー選手だから」というので残業を断るのは違うかなと。選手に伝えていたのは、「職場の人に残業してくれ、と言われたら、残業してこい」(職場で必要とされている、認められているということだから)、「職場でまず居場所をみつけろ」と言ってます。サッカーを辞めても、職場に残ってくれないか?と言われる人間にならないと。
三重県自体が、全国の他の地域と同じように過疎化が進んでいて、呼んできた選手が、サッカーを辞めた後も、(地域に)残ってほしいんですよ。なので、そういうところを、クラブのコンセプトとしてしっかりもって、やっていかないと、と。
だから、僕自身は、アスリートを育てる、というような、そんな感じではなく、まず、社会人として育てる、意識をもたせる、ですね。だからあまり最初の質問のいい答えになってないですね。
耳すま:いや、(「アスリートをいかに育てるか」みたいな)下手な質問に対し、とても良い答えが返ってきて、聴いてよかったです(笑)!
耳すま:その話とつながる話でいうと、大方高校も、そんなに人口が多いところではないですよね、他地域から女子サッカーを求めて人が来ているんですよね。寮生活の方とかもいらっしゃるんですかね?
2.広い視野で女子サッカーを捉える ~高校女子サッカーが、地域社会を、女子サッカー界を、女性のマインドを、いかに盛り上げていけるか?役割を果たしていけるか?~
森監督:そうです。だから大方高校も一緒です。黒潮町というところにいかにどれだけの人間に関わってもらえるか、というところがポイントになってくるんです。サッカーを通じて、他府県の人を関わらせる、ということも大事なことなんじゃないかなと。人口を増やすことは難しいですけどちょっとカーブを緩くすることはできるんじゃないかな、と。いろいろアイデアを出して、黒潮町のサポートをしていこうかなと。
※黒潮町ホームページ↓
https://www.town.kuroshio.lg.jp/
自分のクライアントさんは、町でもあるし、セレッソ大阪でもあるし、子どもたちでもある。どれだけ、僕に関わってくれている人たちの幸せ度をあげていくか、というところが大事なことだと思うので、そういうところも考えながら活動していますね。
耳すま:サッカーというところを超えていますね。地方創生みたいな話ですよね。
森監督:もう「サッカーだけ」っていうのは、需要はないのかなって。町クラブとかだったらいいのかもしれないですけど。サッカーを教える部分と、マネジメントの部分(お金をつくれる)と、能力として両方ないと、どんどん需要はなくなっていくんじゃないかなと。なので、「僕はサッカー教えに来たんで」ていう態度はちょっと違うかなって。地域も巻き込んで、地域の人たちも幸せになってもらう、ていうところですかね。
僕は、ここに来たときは、高知県全体を盛り上げたい、とか、女子サッカー全体を盛り上げたいっていう意識がありました。女子サッカー界全体が盛り上がらないと、僕ら、居場所がなくなっちゃうじゃないですか。そして、高知県だけがOK、とか、大方高校だけがOK、じゃなくて、女子サッカー界全体が盛り上がっていくために、大方高校はどんな役割ができるのか、っていうことを考えないと。だから、大方高校が強くなっても、地域内の他のクラブが弱くなったら意味がないんです。ぼくらは、分母を増やすことをやりながら、他府県で試合に出れない子達を呼んで試合出場の環境や機会を提供するとか、サッカーをやる環境がなくて諦めてしまう子を、こういう環境があるからもうちょっと続けてみない?といえる場所にできないかなって。実際、今回選手が何人か来てくれるってことになったのですが、そのうちの1人の選手は、最初は「サッカーを辞める」と言っていたのです。それでも会いに行って、話をして、やることになって、今ではすっかりやる気になって、続けている、という例もあるんです。
耳すま:こちらからアプローチしていかないと諦めてしまいますよね。選手の主体性にだけ任せていたら、経済的な問題等を気にして、自ら諦めるというケースもありますよね。私のサイトも、女子サッカー関係者だけが読んでいるわけではなくて、サッカーに少し興味がある、くらいの人も読んでくださっているので、そういう人が親になって、子どもができて、サッカーをやらせてみよう、となるきっかけになるかもしれないですよね。
森監督:女子サッカー全体を盛り上げていくためにも、分母が少ないだけに、女性が、(サッカーに対して)イエスっていうか言わないか、好きか嫌いか、応援できるかできないか、ってすごく大事なんですよ。サッカー道具を子供に買ってあげるかどうかの判断にもつながります。寮生活を許すかどうかとかも。お母さんの理解が大事ですよね。そこは重要かなと。
3.日本の女子サッカー選手は、辞めるタイミングを探っている傾向がある
耳すま:大方高校の女子サッカー部は、いつ頃からサッカーを始めている子が多いのですか?
森監督:女子サッカー部ができたのが4年前くらいなんですね。セレッソ大阪が関わりだしたのが。僕が4年目を引き継いだんですけど、前の立ち上げ期間の3年間はコロナもあって、部員がほとんど集まらなかったんですよね。今年は7人でやっていたんです。7人のうち、サッカーをずっとやっていた子は2人だけかな。あとは、小学生の時にやっていて、やる環境がなくて中学生でやめて、という子とかですね。
高知県には(中学生年代の)クラブチームはあるんですけど、敷居が高くて、続ける環境を作る前に、今の状況だと、サッカーをやめる環境が整っちゃってるので・・・。僕らにとっては改善していかないといけない課題なのかなと。
耳すま:(耳すまが住んでいる)埼玉県でも選択肢が沢山あるようでも、同じ課題は抱えていますね。クラブチームはお金もかかりますからね。
森監督:女の子は15歳くらいになるとだんだん分かってきますからね。あとは、僕が女子サッカー界に入って思ったのが、「女子サッカー選手は、辞めるタイミングを探っているな」ということでした。中3でやめる、高3でやめる、大学生でやめる、っていう辞めるタイミングを探っているっていう・・・どこで辞めるっていう話をよくしているな、と。・・・その原因を考えていくと、昔の女子サッカーって圧力が強すぎたんじゃないかなって思うんですよね。指導の現場で楽しませるところが少なかった。分母が小さいから、しのぎを削れちゃうじゃないですか。強豪チームばっかりになっちゃって。ふるいにかけられちゃうわけですよ。苦しい思いを乗り越えた人しか続けられない環境が出来上がっちゃたのかなと。続けるためのモチベーションをあまり示せてなかったんじゃないかな、と。高校3年間走りっぱなしだったって子が、大学でサッカー続けるかなって。
耳すま:「女子サッカーに耳をすまして」というサイトを作った経緯も、サッカーが巧い人・強い人の意見も大事だけど、好きで楽しく細々とでも続けたい人の小さな声も聴いてほしいな、みたいなニュアンスも込めてサイトを作ったというのもあるんです。
森監督:指導者批判をするわけではないんですけど、ふるいにかけて抜粋するのって、指導力、必要ないんですよね。指導者にとって一番大事なのは、目の前の選手が、どれだけのポテンシャルがあって、どこに向かっていこうとしていて、どこまで引き上げられるのか、という視点で、目の前の選手1人1人に個人的なアプローチができるのか、っていうところが大事だと思うんです。だからチームとして教える、ではなくて・・・我々はこういうチームだからお前はこうしなきゃいけないんだ、じゃなくて。(目の前の選手ひとりひとりをみて)トレーニングの使い分けができる、っていうところが、女子サッカーにものすごい必要なことだと思っていて。
(そうしないと)しれっと辞めてっちゃうかなって。女子の場合だと。
耳すま:サッカーは好きだけど、人間関係で・・・という理由で辞めちゃうパターンがあったりしますよね。
森監督:世界がどうとかじゃないくて、「日本の女子サッカー界に何が必要なのか、日本の女子サッカー界に、女子サッカー選手に、どういうアプローチが必要なのか」っていうところは、まだまだ検証の余地があるのかなと。
耳すま:めちゃくちゃ重要な話ですね。ちょっと世界とは違うかもしれないですね。日本に特異な問題があるかもしれないですね。
4.みんなで! ~リスペクトをいかに育てるか~
耳すま:指導の話も伺えたので非常に良かったです。森さんって、小さく「サッカー」っていう枠じゃなくて、「社会」とか「人生」とかってスケールでサッカーをどう生かしていけるか、という視点で活動されている方なのかな、という印象を持ちました。
森監督:女子サッカー全体で何をしないといけないか、と、よく考えています。相手チームの監督さんやGMさんと話し合って、今僕らが何ができるか、みたいな話をしますね。一緒に女子サッカーを盛り上げましょう、という話をします。アウェイに行ったら、ホームの子だけでイベントやるとかじゃなくて、アウェイチームの僕らも一緒にやって盛り上げていけるような仕掛けをどんどんやれないですかね、っていう話をしますね。
耳すま:小さくまとまっている場合じゃないっていう危機感は皆さんあるんですね。
最初は、森さんのこと、「全国大会常連校を目指す」みたいなイメージの方なのかな、とも思ったんですけど、強いチームづくりもできるし、グラスルーツみたいなところもアプローチもできるし、幅広くみることができるんですね。
森監督:キッズもみています。小学生~社会人、全世代、指導でみてきましたね。
耳すま:全世代みてきたからこそ、できることがあるかもしれないですよね。
森監督:他のクラブチームや育成のチームのコーチををみていても、相手チームがいる中で、喧嘩みたいなベンチワークをすることを見ることもありますよね。じゃなくて、ただ、今のチームを自分が担当しているだけであって、相手チームの子どもたちも含めて支えている立場なんだ、っていう意識は大事ですよね。そうすれば、もっともっと良くなるんじゃないかな、と。海外はお金が絡むのでできないかもしれないですけど、日本ならそういうことができるんじゃないかなって。みんな仲間意識強いですし。団体でやるっていうのは日本人は得意なんじゃないかなって。女子サッカーでやれないかなって思っています。こんなに分母が少ないし、こんなにまだまだポテンシャルがあるのに、盛り上がり切れていないのは・・・「あのチームはよう!!(怒)」みたいなのはまだありますよね(そんなスケールの小さい話をしている場合ではない!)。「だからダメなんだよ」とかじゃなくて(笑)。
耳すま:一般の人たちは、まだスポーツ界に対してパワハラが横行してるみたいなイメージがあって敷居が高くなっている部分があると思うんですけど、サッカー界にも森さんみたいな柔軟な考え方の方がいるんだ、ということを発信していけば、保護者の方だって、子どもにスポーツやらせてみよう、と敷居が低くなりそうですね。
森監督:もういっぱいいると思いますよ。
耳すま:もう変わってきてますよね、だいぶ。
森監督:例えば、審判に文句を言うのは、お金や生活が掛かっているプロにでもやっぱり良くないことですよね。なので、子供たちが審判に文句を言う姿を見た時に何も感じないような人は、サッカーとか、子どもと関わることについての態度を少し改めた方がいいんじゃないかなって思います。
耳すま:勝利だけってことですよね。日本サッカー協会が「リスペクト」と掲げてますけど、まだスローガンでとどまっている感じですよね。日本人特有の女子サッカー界の抱えている課題というか、心理的な問題なのかもしれないですけど・・・サッカーは好きだけど、人間関係でやめちゃうとか。リスペクト、とも関係してると思うんですよね。巧いとか気が強いと立場が上、みたいな人間関係ができちゃっているかもしれないですよね。「みんな大事だよ」ていう感覚が育ってないのかもしれないですね。
森監督:僕もSNSでちょっと書いたことなんですけど・・・サッカーを始めたばかりの小さな子どもにとって、浮き球って怖いですよね。怖くて、思わず手を上げてハンドになっちゃって、ペナルティエリア内だったからPKになって・・・傷つくわけですよ。でもみんな経験してきていることですよね。通過点なんですよね。それでPKで失点して、キックオフになったときに、まず、うちの選手が、その子にパスをしたってことがあったんですよね。あいつなんでパスしたんだ?って思ったんですけど、あれわざとパス出した?と聴いたら、「気にしなくていいよ」というメッセージをパスに込めた、と。それ聴いて泣きそうになりましたね。
耳すま:そういうところが大事ですよね。サッカーってそういうこともできるし、逆にいじめの道具にしちゃうこともできますよね。1人にだけパスをしない、とか。
森監督:勝つことはもちろん大事なんですけど、勝ち負けよりも大事なものってあるんじゃないかな、っていう問いかけは、し続けるべきじゃないかなって思いますね。応用力、サッカーから、サッカーじゃないことに応用していく力を育てる指導力は大事ですねー。
5.高知県立大方高校の「地域みらい留学」のご紹介
森監督:最後に、大方高校の宣伝だけさせてください!
耳すま:どんどんお願いします!
森監督:過疎地域で、「地域みらい留学」という制度がありまして。募集中なんです。公立高校だけど、受けることができます、と。黒潮町が全面的にバックアップしてくれていて、新しい寄宿舎もできまして。システム上、学校の寮ではないんですけど、黒潮町が持っている施設のひとつ、移住者を受け入れる施設ということなんです。
耳すま:黒潮町って、大規模公園みたいなのもあって、サッカー環境最高ですよね。
森監督:はい。そうなんですよ。黒潮町が、いろいろな部分でバックアップしていて、例えば、県内遠征に関するバス交通費等も出してくれます。地元の有志の企業さんが後援会もつくってくださっていて、いろいろな地域のイベントにも参加できます。ボディボードやシーカヤック、クジラを見に行く、とかいろいろな体験もできます。
耳すま:いいですね。サッカーだけじゃない、その地域でしかできないことが沢山体験できるんですね。
森監督:保護者の方はみんな気に入ってくださるんですよ。星空がきれいとか、空気きれいとか、水平線がまっすぐってこととか、体験として身に着くので。
耳すま:そういう選択肢があるって知れたら、結構(受験生は)魅力を感じるかもしれないですね。私が高校進学を考える時に、この選択肢を知れたら、揺れるかもしれないです。「サッカーの巧さ」だけではない指標で、女子サッカー留学ができる環境・選択肢がある、歓迎されているところがあるって知れたら、変わってくるかもしれないですね。
森監督:生きる力も身に着くと思いますよ。地域交流もありますし、人と人との距離感も近いです。
耳すま:なかなか他にないアプローチの部活動の在り方かもしれないですね。高校の部活っていうと、毎日四六時中サッカーに打ち込んで、ひたすら学校と家の往復、みたいなイメージでしたけど・・・。
森監督:バイトとかしている子もいますよ。
耳すま:学校部活動も、今、地域移行の流れがきているっていう話もありますよね。
森監督:ああ、その流れは、先に行っていると思いますね。サッカーを通じて、子どもたちにいろいろな経験をさせてあげたいなと。
耳すま:そういう部活動の在り方がスタンダードになるといいですよね。それぞれの地域の特性があると思うので。サッカーだけではない、色々な体験が経験できる学校生活の在り方というような。
森監督:これほんと、数字の話になるんですけど、全国大会に出れる学校って47校だけですよね。出場できない学校の方が圧倒的に多い。全国大会に出れない高校の整備もしてあげないと、女子サッカーをして良かった!と沢山の高校生が思うようにしないと!
大方高校の「地域みらい留学」の申し込みは、
12月末~1月上旬にあるとのことです!
見学・お問合せ・お申込みはこちらから!
6.編集後記
インタビューを通じて、森周三監督は、「高校女子サッカー」とか「大方高校女子サッカー部」とか、そういったスケールで物事を考えているのではなく、「女子サッカー界全体が盛り上がるために、大方高校は何ができるか?」という、大きなスケールでサッカーを生かそうと考え、行動されている方だということが伝わってきました。指導レベルの話でも、指導者は、ただ、「サッカーを教える」だけではなく、「人生に寄り添う」意識が重要だという話もありました。
また、「日本の女子サッカー界に何が必要なのか、日本の女子サッカー界に、女子サッカー選手に、どういうアプローチが必要なのか」というご指摘は、非常に鋭く、「心理的な問題なのかもしれないですが、サッカーは好きだけど、人間関係でやめちゃう、とか・・・サッカー協会が掲げている『リスペクト』とも関係してると思うのですが、巧いとか気が強いと立場が上、みたいな人間関係ができちゃっているかもしれない、『みんな大事だよ』ていう感覚が育ってないのかもしれない」という気づきは、このインタビューを通じて非常に心に残りました。
そして、国が進める施策「部活動の地域移行」の流れがある中で、「地域みらい留学」制度のような、地域特性を最大限に生かした高校の部活動の新しい在り方、スタンダードが普及していったら、日本のスポーツ環境、これからの女子サッカー環境は、もっともっと豊かになるのかもしれない、と思いました。
おそらく、1時間以上お話しすることになってしまったと思うのですが、豊富な指導経験から繰り出される、よどみない女子サッカー愛がこの日もほとばしっていて、インタビューしていて、あっという間で、非常に楽しい時間となりました。もっともっとお話を聴かせてもらいたいと思うくらいでしたし、大方高校女子サッカー部に様々な地域から生徒が集まり、発展していったら、面白い展開を生むのではないかな、と思いました。
読者の皆様にも、その熱や魅力が少しでも伝わったらいいな!と思っています。
森周三監督、貴重なインタビューの機会を頂き、誠にありがとうございました!これからも、一緒に、女子サッカーを盛り上げていきましょう!
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