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6月FOMCの解説

✅24年6月FOMCは大きな変化

24年6/13に米国でFOMCの発表が行われました。

声明文はもちろん、発表されたドットチャートや経済見通しについて詳しく解説していきます。

・声明文の内容
・経済見通しとドットチャート
これらについてわかりやすく解説していきます。


✅まずは声明文を確認します。

FOMCでは政策金利の据え置きが決定されました。
5.25~5.50%と7会合連続の据え置きですね。

①経済の現状について:
・経済活動は堅調に拡大している。
・雇用は増加し、失業率は低い。
・インフレーションは過去1年で緩和されたが、まだ高い。
・FRBの目標である2%のインフレーションに向けてさらなる進展が見られる。

②FRBの目標について:
・FRBの掲げる目標は最大限の雇用と2%のインフレ
・物価と雇用とのリスクのバランスが改善。
・経済の見通しには不確実性であり、さらなるインフレーションリスクには注意が必要。

③FRBの金利政策について:
連邦基金金利を5.25%から5.50%に維持
インフレが2%に向かう確信が高まるまで金利を引き下げない

金融資産の削減(QT)について:
前回、量的引き締め(QT)のペースを6月から月600億ドルから月250億ドルに引き下げる緩めることを決定
国債や住宅ローン担保債券などの保有を今後減少させる。

④動きについて
リスクが発生した場合、適切に金融政策を調整する。
労働市場、インフレ、金融および国際的な発展に関する幅広い情報・データを考慮する。

声明文をみるといつも通りというか。大きな変化はありませんでしたね。

しかし、大事なのはドットチャートと経済見通しです。

✅変化のあったドットチャート・経済見通し

次に四半期ごとに発表される経済見通し・ドットチャートをみていきます。

✅経済見通し

FRBメンバーがどのような経済の見通しを持っていて、そのためどのような金融政策を行っていくのか
その考えの土台となる非常に重要な資料となります。

こちらをみると
・GDPの見通しは前回と同じ
・失業率は小幅に悪化と修正
・PCEは24年こそ上方修正も、ほぼ予想を変えず。となっています。

しかし、赤丸をしている金利見通しをみると
・年末時点の政策金利予想・・5.1%と前回4.6%から修正
・ロンガーラン金利・・・・・2.8%と前回2.6%から修正

つまりどういうことかというと
前回3月発表から
利下げ予想が3回から1回程度になったということ。
利下げをしてもある程度にとどめる可能性があるということ。

次に、ドットチャートも見ていきましょう。

✅ドットチャート

各参加者全員が、今後2.3年の年末時点、そして長期的にの金利がどれくらいの水準となるかを予想したものです。
誰がどの水準に入れたかは非公表ですが、各参加者の考えが点で示されることからドットチャートと呼ばれています。
24年3月時点では年2~3回の利下げ、来年3~4回の利下げを想定していました。

実際発表されたものを見ていきましょう。

ちなみに3月はこのようなかたちでした。

24年末の金利について
・利下げなしが2人から4人
・1回:2人から7人に
・2回:5人から8人に
・3回:9人からなしに
・4回:1人からゼロ人

先ほどの経済見通しにもありましたが

それぞれ利下げスタンスが後退しているのがわかりますね。

3月時点では年初予想の最大6回とは言わずとも、3回くらい利下げになるかなと考えられていました。
それが6月では1回程度となったのは大きな変化だと思います。

✅パウエル議長の会見はややタカより?🦅

これらの発表があった30分後パウエル議長の会見が始まります。

総括
・雇用の拡大、インフレ抑制で進展があった
・インフレは大幅に鈍化したが、それでも依然として高すぎる
・FRBは需要と供給の引き締めを維持する
・経済活動は堅調に拡大している
・雇用は堅調だが鈍化してきている
・最近のインフレはやや鈍化している
・インフレへの信頼を高めるためにより良いデータが必要
経済見通しについて
・予測について自信はない
・PCEが2.6~2.7%というのは満足いく数字
・どれだけインフレの良い数字があるか明言しない
・金融政策はデータに依存する
・金利変更のタイミングはデータに依存する。
・1Qはインフレが停滞、利下げには時間がかかるという結論となった。

まぁまぁいままで聞いてきた発言内容と近いところがありますね。
利下げに対してやや言及してきた、というところでしょうか。

これは、私のかねてからの予想ですが
8月のジャクソンホールにて具体的な利下げのイメージを発表。
市場とのコミュニケーションをとって11月ないしは12月に利下げを行うのではないかと考えています。

当たるかはわかりませんが、どう思いますか?

✅まとめ

アメリカの金融政策は大きな変化を迎えていきそうです。
金利と株式の関係は非常に重要であり、
Don't Fight Fed
という言葉があるようにFRBの意向を無視して相場に乗り続けることは得策ではありません。
今後もどういう発表や発言があるのか、FRB高官の発言も含め金融政策の行方を注視していきたいですね。




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