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24年7月ベージュブックまとめ解説
ベージュブックが公表されました。
各地区の経済状況がどのようなものだったのか解説します。
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まず、総括について
総経済活動
12の地区連邦準備銀行のうち、大半は前回のベージュブック期間と比較して経済活動にほとんど変化がないと報告。
消費者は多くの地区でホリデーシーズンに予想通りの支出を行い、ニューヨークを含む3つの地区では予想を上回る支出。
製造業の活動はほとんどの地区で減少。
高金利が自動車販売や不動産取引を制限しているが、金利低下の期待が楽観視されている。
事務所市場や全体的な需要の弱まり、2024年の政治サイクルに関する懸念が経済不確実性の要因として挙げられる。
7地区が「経済活動のいくらかの拡大」を報告。
5地区が「変化がなかった、もしくは縮小した」としたのは、前回5月の2地区から増えた様子。
雇用について
7つの地区で全体的な雇用レベルにほとんど変化がないと報告。
雇用成長のペースは4つの地区で緩やかから中程度。
2つの地区では依然として労働市場が逼迫しており、専門技能を持つ人材の雇用が困難。
ほとんどの地区で労働市場の冷却の兆候が見られ、大きな応募者プール、低い離職率、企業による選択的な採用、賃金圧力の緩和などが報告。
価格
6つの地区でわずかから控えめな価格上昇が報告。
ほとんどの地区で製造業と建設業の入力価格が安定しているか低下している。
しかし、ほぼすべての地区が小売業者の値引きに加え、価格に敏感な消費者が必需品の購入に絞る、購入する際の品質を落とすか量を減らす、値打ち品などを選ぶといった傾向があると指摘
→この動きは気になりますね。
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各地区の状況を見ていきましょう
ボストン連邦準備銀行
経済活動
経済活動は平均してわずかに減少。
小売収益はわずかに増加。
観光活動は平均以上のペースで成長。
ITサービスの収益は安定。
製造業はわずかに弱い売上。
住宅販売は非常に低い水準で安定。
商業不動産活動はさらにわずかに弱まり、見通しは悲観的。
労働市場
雇用は平均して横ばい。
賃金成長は中程度。
一部のメーカーとIT企業は物価上昇に対応して平均以上の賃金増加を実施。
価格
価格は平均して控えめなペースで上昇。
ニューヨーク連邦準備銀行
経済活動
経済活動はわずかに減少。
労働市場の状況は堅調だが、需要は軟化。
ホリデーシーズンに強い消費支出が見られる。
製造業活動は急激に縮小。
労働市場
雇用は横ばい。
賃金は堅調な上昇を維持。
価格
価格はわずかに上昇。
フィラデルフィア連邦準備銀行
経済活動
経済活動はほぼ変化なし。
製造業の受注は若干の増加。
小売売上は前回よりやや低いが、全体的に堅調。
不動産市場の状況は引き続き厳しい。
労働市場
雇用は安定している。
賃金圧力は依然として強い。
価格
価格は安定している。
クリーブランド連邦準備銀行
経済活動
経済活動はわずかに減少。
製造業は安定した需要。
小売業はホリデーシーズンの売上が予想を上回る。
住宅市場は依然として低調。
労働市場
雇用は横ばい。
賃金は安定した上昇継続。
価格
価格は安定。
リッチモンド連邦準備銀行
経済活動
経済活動は緩やかに増加。
製造業は回復の兆し。
小売業の売上は好調。
住宅市場は緩やかな改善。
労働市場
雇用は増加傾向。
賃金圧力は依然として高い。
価格
価格はわずかに上昇。
アトランタ連邦準備銀行
経済活動
経済活動はほぼ変化なし。
製造業は堅調な需要。
小売業はホリデーシーズンに好調な売上。
住宅市場は依然として低迷。
労働市場
雇用は安定。
賃金は緩やかに上昇。
価格
価格はわずかに上昇。
シカゴ連邦準備銀行
経済活動
経済活動はほぼ変化なし。
製造業は安定した需要。
小売業はホリデーシーズンの売上が予想を上回る。
住宅市場は引き続き低迷。
労働市場
雇用は安定。
賃金は堅調に上昇。
価格
価格は安定。
セントルイス連邦準備銀行
経済活動
経済活動はほぼ変化なし。
製造業は安定。
小売業は堅調な売上。
住宅市場は緩やかに改善。
労働市場
雇用は増加傾向。
賃金は安定している。
価格
価格は安定。
ミネアポリス連邦準備銀行
経済活動
経済活動はわずかに減少。
製造業は需要の減少。
小売業の売上は予想を下回る。
住宅市場は低迷。
労働市場
雇用は減少傾向。
賃金は安定。
価格
価格はわずかに上昇。
カンザスシティ連邦準備銀行
経済活動
経済活動はわずかに増加。
製造業は堅調な需要。
小売業はホリデーシーズンに好調な売上。
住宅市場は安定。
労働市場
雇用は増加。
賃金は緩やかに上昇。
価格
価格はわずかに上昇。
ダラス連邦準備銀行
経済活動
経済活動はほぼ変化なし。
製造業は堅調な需要。
小売業はホリデーシーズンに好調な売上。
住宅市場は緩やかに改善。
労働市場
雇用は増加。
賃金は安定。
価格
価格はわずかに上昇。
サンフランシスコ連邦準備銀行
経済活動
経済活動はわずかに増加。
製造業は堅調な需要。
小売業はホリデーシーズンに好調な売上。
住宅市場は安定。
労働市場
雇用は増加。
賃金は緩やかに上昇。
価格
価格は安定。
![](https://assets.st-note.com/img/1721251833008-jDrRJTX5or.jpg?width=1200)
一部景気減速を示唆するようなコメントも
インフレは落ち着きを見せているように見えますが
一部経済活動に減速、特に住宅不動産に懸念が挙がっている様子ですね。
地域差もでてきており、エリアの動向も気になりますね
景気については「米大統領選挙や政策、国際情勢の緊張、インフレを取り巻く不透明感を背景に先行き6カ月に成長が鈍化する」
といった見通しもでており、高金利によって販売が減少したという報告もでていたりと、ここ数カ月は注意したいところですね。
次回FOMCは7/30.31です。
これを踏まえ各連銀総裁がどのような判断をするか試されますね。
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